「じゃじゃーん!見てくださいラプラスたん!」







いい加減その「たん」をやめてくれないだろうかと思う今日この頃。
今日も懲りずボクに会いに来たずぶ濡れの変態を見て暇なのかと呆れた。
会うたびにずぶ濡れの変態を見て、濡れるのが好きなのかとさらに呆れる。



しかしその変態の持ってるものにボクは心底驚いた。







「うふ、それなあに?って顔ですね!これはマスターボールです。野生のポケモンならどんなポケモンでも捕まえられるんですよ!」







それくらいボクだって知っている。人間から捕まえられないように、ある程度の知識は持っているつもりだ。
しかしマスターボールといえば研究成果を認められた偉大な人物にしかあたえられないはずなのに。なぜただの変態のこいつがそんなものを持っているのか。







「なぜお前みたいなプリティーガールが持ってるんだ?って顔してますね!これは、パパに頼んで作ってもらったんですよ」
「(プリティーガールとか思ってない)」







父親にたのんだだけでそんな貴重なものを作ってもらえるなんて、この変態はどこぞの金持ちなのか。なんか変な感じがする。
それにしてもよくボクの考えていることが分かったなあなんて少し感心してみる。







「こんどはなんでボクの考えていることが分かるんだ?って顔してますね?そんなの簡単です。私とラプラスたんは一心同体だから!…同体……ハアハア」







やはり変態は変態だった。また変なこと考えて息を荒くしている。
今頃思ったけど、まさかこの変態はマスターボールでボクを捕まえるつもりなんだろうか。
そう思うと自然に体が強張った。







「ああ、私まだあなたを捕まえるつもりありませんから。」







頭に疑問符が浮かんだ。この変態なら無理やりにでも捕まえてしまえ!なんて単純なことをしでかすと思ったのに。








「無理やりっていうのも萌えるんですが、やっぱりラプラスたんからデレれくれるのを待つって決めたんです。」
「それまで私、どこにも行きませんし、ここ空けときますから。」






そう言ってボールを見せてから鞄にしまいこむ変態を見て、ボクは考えた。
少し、考えてみようかと、考えた。







(昨日ラプラスたんに跨って海を渡る夢を見ました。まじ興奮したー)
((やっぱ…やめようかな…))























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