4.情報網
ナナが出て行ったのを確認するとソファーに座り込む。
「おや、僕の話を聞く気になったんですか?」
「うるさいよ。話さないなら出て行ってくれる?」
君を視界に入れるだけでも目障りだ、と殺気を含んだ瞳で睨む。
話を聞く前から喧嘩腰のヒバリに深く息を吐く骸。
「いいんですか?ナナの事なんですよ。」
「だから早く話せって言ってるでしょ。」
ギロッと睨む。
それにまた溜め息を零した後にゆっくりと話だす骸。
「………実は…」
―――――
ヒバリに追い出されてしまったナナはヒバードと一緒に屋上で鬼事をして遊んでいた。
「コッチ!コッチ!ナナ!コッチ!」
『にっ!』
ナナは自分の上を飛んでいるヒバードを捕まえる為に追いかけ回す。
『うっ!にぃ!』
腕を伸ばせば、ひらりと交わされてしまうの繰り返し。
それに少々ムッとなったナナはピョンッと猫みたく軽く跳びヒバードを捕まえる。
「ツカマッタ!ツカマッタ!ヒバードツカマッタ!」
『………』
不意にナナは捕まえたヒバードをすっと手から離してそのまま顔を俯かせてしまった。
外を歩く時は洋服に付いているフードを被るとゆうヒバリとの約束で今ナナは深くフードを被っている。
普段長い前髪で顔の表情が読みにくく、フードを被ると余計に表情が読めないが、きっとフードの中の耳は垂れているだろう。
しかし動物の勘とゆうのか、ヒバードはナナが元気が無い事に気が付き肩に羽を休ませる。
『キョーヤァ……』
そう、ナナは大好きな雲雀が傍に居なくて寂しいのだ。
それが分かったのか優しくヒバードはナナの柔らかな頬に頭を擦り寄らせる。
――――――
――――
「実は、ある情報を耳にしたんです。」
「情報?」
くいっと紅茶を啜っているヒバリを骸は真剣な眼差しで見つめる。
何処か、焦っている状態で…。
「えぇ。ナナを狙うマフィアが、日本に来ているそうなんです。」
「…!!!」
ガチャン!と紅茶が入ったカップを乱暴に机に置く。割れたかもしれないが今はそんなのどうでもいい。
ナナを……あの子を、狙う奴らが日本に?
「…その情報は確かなの?」
「僕の情報網を甘く見ないで下さい雲雀君。」
人のソファーで踏ん反り返って言う事のほどか?
「……君は目障りでうざいしパイナップルだし…嫌いだ。」
「ちょ、何を急に!しかも強調しましたね?!それになんです途中のは!?」
うるさいな…人が話てる時に口挟まないでくれる?それに僕間違った事言ってないけど。
視界に映るだけで咬み殺したくなるし、
性格と存在がうざいし、髪型は南国果実を思い出す変な髪型だし。
よって彼は嫌いだ。
………だけど、
「だけど、君はナナの事で嘘を言った事がない。」
そう言えば六道骸は目を見開き驚いた顔をしていた。
踏ん反り返ったままの姿勢でそんな顔してたらただの間抜けか馬鹿だよ君。
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