3.小さな猫




「僕はこいつと話があるから何処かに遊んできて」


『!……ッあぅ』




ぐい、ぐい、と長い袖で脚に縋り付き引っ張る。彼と二人っきりにするのが嫌らしい。
以前、不覚にも彼に一度敗れた日からかな…。
ナナが必要以上に六道骸を嫌い、僕と彼の接触を避けようとするようになったのは…。




だけど、僕はそんな小さな彼女が愛しいと感じる。本当は元の姿をしたナナを強く抱きしめてやりたい。けどそれは彼女を危険にさらす事と同じことらしい。
以前、こいつから聞かされた情報によるとナナはあるマフィアに人体実験をされて身の内に膨大な力を生み込まれ、その力は一つの国を破滅する程強力な力。



小さい身体をしている事で気配を殺し、力を制御している。
元の身体になるには契約者の血を飲む事。
その契約者とゆうのが僕だ。





ちらっとナナを見れば長い前髪の隙間から心配げに眉を寄せて僕を見上げていた。




『う……』



目が合うと小さくうろたえる。




「大丈夫だよ。話が終わるまでヒバードと一緒に遊んでな。」


『……』




雲雀に言われ渋々ヒバードを頭に乗せたナナは骸の横を通り過ぎた瞬間の事…













『かっちね。』





ぺっと吐かれたナナの言葉に骸はガーンと衝撃が来るのを感じた。そんな骸を無視してナナはヒバードを連れて応接室を後にした…。









「……君も哀れだね」




床で崩れ落ちている南国果実をハッと鼻で笑い紅茶を啜っている雲雀であった。



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