2.かっちねパイナポー!
頭の上でナナがうとうととし始めた時に応接室の扉をノックする音が聞こえた。
― ピクッ
ナナの頭に生えている耳がピクリと反応する……てことは…
「ナナ―――!!!!!会いたかったですよ!僕の可愛いナナ!!」
やはりお前か六道骸…!
『キシャ―――!!!!』
薔薇色で来るパイナップルを牙を剥き出して威嚇するナナ。
彼女は昔、六道骸と同じ場所に居たらしい。
その頃から奴はナナにベタ惚れらしいがナナは彼を嫌っている。
現に今僕の頭にかじりついて威嚇している。
『シャ――!』
「あぁナナ!そんなに雲雀恭弥にくっついてはいけません!羨ましいじゃないですか!!
分かりましたよ!貴女とゆう人はそんなに僕に嫉妬して貰いたいんですね?いけない人だ…」
「ちょっと、何変態気味な事言ってるの。この子に近付かないでくれるパイナップル。猥褻罪で咬み殺すよ。」
『かっちね!』
近くまで来たパイナップルに威嚇しながらナナは僕の頭に縋り付く。余程嫌いなんだ…。
「(ざまぁないね…)」
ナナの『かっちね!』は僕に咬み殺されて死ね、とゆう意味らしいから六道に死ねと言っているも同然。
「照れてるんですねvV本当に貴女は可愛い人だvV」
『に゛ゃあぁああ!!(怒)フシャ――!!!』
「どう解釈したらそうゆう思考になるのか知りたいね…。」
いつもなら六道骸が来た瞬間に殴り掛かるが今は肩にナナがいる為それは出来ない…。
ふぅ、と溜め息をついていると不意にチャラチャラしていたパイナップルが真剣な眼差しに変わる。
「今日はナナに会いたいのもそうでしたが雲雀君に話があってきたんですよ。」
「何急に…気持ち悪い。しかもナナの事を否定はしないのか…。」
『なぅ?』
南国果実の雰囲気に知らず内に僕も真剣な顔をしていたのかナナが心配げに顔を覗き込んできた。
そのナナを肩から降ろす為脇の下に手を入れて床に降ろす。
急に降ろされたナナは何がなんだか分からない状態で長い前髪の奥から雲雀を見詰める。
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