1.君は猫


君と出会ったのは、寒い冬の日の屋上でだった…





―猫耳幼女―







街の見回りから応接室に帰ってくると突然脚の方に走った衝動に自然に口許が緩む。




『キョーヤ!』


「ナナ、ただいま」



脚に飛び付いてきた小さな頭を撫でれば嬉しそうにピコピコと動くそれ。
ナナの頭には普通の人間には付いてないものが頭に付いている。
小さく動くそれは獣の耳に酷似していた。





「また学校に来たの?家で待ってるように言ったでしょ。」



ヒョイッと小さい身体を抱き上げれば勢いよく首に抱き着いてくるナナ。



キャッキャッと何が嬉しいのかナナは僕の首に抱き着いて離れない。……ハァ。



多分一人であの広い家に居るのが嫌だったんだろう。と勝手に解釈しナナの頭を撫でる。
相当自分はこの子に弱いらしい…。



今は小さい幼女の姿をしているけど本当の姿は15歳の女の子だ。
力を制御するために幼女の姿をしていると前に聴いた。



「……ナナ、そういえば君、何処から入って来たの?」



応接室の扉を開けるには自分の脚より背の低いこの子には無理だ…。
彼女は僕と契約しているから僕の血が無ければ元の姿には戻れない。


ならどうやってここに……





『ちぃ!』



指を指された場所を見ればそれは窓…まさか、




「窓から入ってきたの?」


『みゃあ!』




流石猫…と一瞬思ってしまった。



「危ないから今度から窓から入っちゃダメだよ」


『……なぁ〜』


「分かった?」


『〜〜〜……にッ。』




少しきつく言えば小さく首を縦に振るナナの頭を撫でてやる。



「ん、良い子だね」


『なっ〜〜!!vV』



周りにハートを飛ばしながら頭に抱き着いてきたナナを落ちないように支える。




「…書類、片付けなきゃいけないからおとなしくしててね」



肩車する形でナナを乗せながら椅子に座る。頭を伝ってナナが頷いているのが分かった。
ナナは軽いから重さを感じない。
子猫を頭の上に乗せてる感覚だ…。



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