9.お迎えバイオレンス。
『ミャァァ――!!!』
「テメェ少しは大人しくしやがれッ!!」
また暴れ始めた子猫に獄寺君が怒鳴っていると
「君達、そこで何してるの。」
『!!!』
ツナ達は声のした方を見た為ピクンッとナナの耳が動いたことには気付いていない。
「ひ、ヒバリさん!?」
「タイミング悪すぎなのな。」
「なんでヒバリが!」
「それはこっちの台詞だよ。次の授業をサボる気かい?」
ギロリと鋭い眼光で睨まれたツナ達は慌てて時計を見る。
時間は昼休みが終わる10分前。
「ん?」
そこでヒバリはあるものに目が行った。
山本の後ろから不機嫌そうに揺れている薄紫色の細長い尻尾のようなもの。少し頭を動かしてそれを見ると、
「!」
目を見開きそれを見た後にスッと目が細められる。
「君達、その子をどうするつもり?」
「ひっ!」
何時にも増して、殺気が鋭い事に気が付いたツナ達はヒヤッーと背筋に冷たい汗が流れた。
『ニャァー!!(キョーヤ!)』
―ガブッ、ゲシッ
「いっ!だぁっ!?」
ガブッ←指を噛まれる。
ゲシッ←顔面を蹴られる。
顔面を踏み台にされそのまま後ろに倒れた獄寺に駆け寄るツナと山本。
「ナナ…っ」
『ナ〜〜!!www』
腕を広げた雲雀の胸の中にポスッと落ちる。
ナナは咽をゴロゴロ鳴らせ、顔を首筋に押しつけるようにして甘えた。
雲雀はただ無事だったナナにほっと胸を撫で下ろす。
いつまで経っても応接室に顔を出さないナナに何かあったのではと不安だった。
屋上に探しに来てみればナナはいた。
屋上にはいたが、何故か草食動物に捕まった形で。
「あ、あああのヒバリさん!その猫は咬み殺さないでやってください!」
「ん?」
突然顔を真っ青にさせながら意味不明な事を言う。ナナを咬み殺さないで?そんなの当たり前だよ。何故僕がナナを咬み殺す必要がある。
腕にナナを抱きながら彼等を見ていると山本武が口を開かせた。
「その猫学校に迷い込んだみたいでよ!まだ子猫だからさ…」
「……。」
なるほど、ね。
彼等はナナが僕のものだと知らず、僕の学校に無断で入り込んだ野良猫を駆除しようしていると思っているのか。
「君達何か勘違いしてないかい?」
「え?」
「僕はこの子を傷付けるつもりは無いよ。」
首筋に顔を擦り付けているナナの頭を雲雀が撫でながら言うと山本が爆弾を落とす。
「良かった!そいつさ俺が飼おうかと思ってたからヒバリに咬み殺されたらな〜と思ってさ!」
「………。」
ピクッと雲雀の肩が小さく揺れ顔に影が差したのをツナは見てサァーと身体が冷たくなるのを感じた。
「おっ、ボンゴレファミリーの集結だな。」
冷たい雰囲気の中をいつもの如くお気楽に登場するリボーン。
水上タンクの上に立ってこちらを見下ろしている様子。
「リボーン!」
「赤ん坊…」
殺気を収め、リボーンに視線を流す。
リボーンも雲雀に視線をやり、その腕の中にいるナナに視線を流している。
「リボーン!どーゆうことだよ!学校にいる猫を捕まえろだなんて!!」
「!……どうゆうこと赤ん坊…。」
返答次第じゃ咬み殺す勢いでリボーンを睨み据える。
次→
(この子は僕が守る。)
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