7.猫の一日2



並盛最強と呼ばれた雲雀恭弥が猫を腕に抱いての登校に皆目を見開いて凝視する。



群れるのを嫌うヒバリが、猫を腕に抱いて登校!?




その集まる視線にヒバリが気が付かないはずもなく、




「君達、何校門の前で群れてるの。……咬み殺すよ。」


『フシャ――!!!』


「「?!」」




一人の人間と一匹の猫の威嚇に生徒達はもの凄い速さで校舎に向かって走って行った。
暫くしてチャイムが鳴る。





「遅刻者はゼロのようだ…。」


『ニャア?(キョーヤ、つまんない?)』


「…そうだね、咬み殺せないからつまらないな。」



ピョンッとナナはヒバリの腕から降り立つ。



「校舎の外には出ちゃ駄目だから。それと、昼になったら遅刻せずに応接室にちゃんと来ること。」



分かった?と言われたので大きく返事をしておいた。
キョーヤはいつもふーき、とゆう仕事があるらしい。そのため朝が早い…。



ナナの元気な返事を聞いたヒバリは学ランを靡かせて校舎の中に入って行った。
その後ろ姿を長い尻尾でゆらゆらと揺らしながら見送る。




『…ニャ〜』



じっと見た後、少ししてその場を去った。








―ツナside―




「はぁ〜。」



教室で深い溜息を零して机に肘を着き、頬杖を着いて窓の外を眺める。



「はよっツナ!どーした?元気ねぇな。」


「てめ山本!右腕の俺が先に10代目に挨拶すんだよ!!あ、おはようございます10代目!」


「山本に獄寺君……。」


外を眺めていると山本が近付いてきた。
軽く二人に朝の挨拶を交わすとどうした?と山本が再度聞く。




「いや、なんか今朝さ、リボーンに変な事言われて…。」


「変な事?」


「うん。」




今朝リボーンに言われたことを二人に話す。






「「猫?」」


「そうなんだ。今朝いきなりリボーンが、学校にいる猫を捜して捕まえろって…。」


「にしても小僧は猫なんか捕まえてなにすんだろうな。なぁツナ?」




本当だよ。猫なんて捕まえて一体なにすんだか…。




「しかし10代目…学校に猫なんかいるんすか?」


「そこなんだよな〜。学校に猫なんていな……」


「いたぜ?」




ガバッと山本が指している方を獄寺君と見ると校庭に猫がいた。
ほ、本当に学校に猫がいた!!しかも学校の中入っちゃったし!




「よし!追いかけようぜ!」


「え?」


「行きましょう10代目!」


「えぇ!?」




嫌と言う暇も二人は与えてくれず教室から連れ出された。
あの猫を見つける為に廊下を走る俺達。




「だけどなんで猫が学校に…」


「ヒバリに見付かったらヤバイのな(笑)」



そうでした―――!!(冷汗)




あの学校大好きなヒバリさんが土足の野良猫の侵入を許すはずがないッ!てかなんでそれを笑顔で言えるんだ山本!?





「こりゃヒバリより先にあの猫見付けないとな…。」


「大丈夫ですよ10代目!!俺があの風紀野郎よりも先に見付けてみせます!!」


「山本…獄寺君……。」


二人の心強い言葉にツナは感動したとか。
とにかくあの猫を捕まえないと俺がリボーンに殺される!!


脳内でリボーンに撃たれるのを想像しゾクッと背筋が鳴る。



今授業中で、サボっている状態の三人はヒバリに見付からないようにあの猫を捜していると、廊下の角から猫の尻尾が見えたのに気が付き。




「あれ!猫の尻尾だった!」


「よし!行こうぜ!」


「てめぇに言われなくとも分かってんだよ野球馬鹿!!」


「(頼むから静かにやろうよ―――!泣)」



これでヒバリさんに見付かったら元もこもないよ(泣)








―ナナside―




昼時に遅刻しないで応接室に来るようにと釘を刺されてキョーヤと別れた。



確か今は人間達はジュギョーとゆうものをしていて決められた部屋から出てこない。歩き廻って移動するならこの時間だけ。
時々変な曲が校内を響くと部屋から人間が出てくる。そしてまた鳴ると部屋に入っていくの繰り返し。前にキョーヤに聞いてみたらそれは休み時間といって人間達が休む時らしい。その間は私も動けないからじっとして彼等が部屋に戻るのを待つ。




なのに、だ。





「待て――!!」


「待てそこの猫!!」


『………。』







何故人間が出歩いているッ!?
いきなり私を見るなり追いかけてきて捕まえようとする。
追いかけて来ているのは三人組の男で一人は気の弱そうな男で二人目は背の高い奴で三人目は私の髪とは違った銀色の髪を持つ男。




『………。』

捕まらないように逃げ回っているけど奴らは何故私を追う?



保健室に逃げ込み奴らをやり過ごす。




『ミャァ……』



もう、走ったから毛並みが乱れたではないか!



猫は綺麗好きなせいかこの姿になると自然に私自信もそうなるのだ。



机の上に座り乱れた毛並みを毛づくろいして調えた後にペロペロと手を舐める。




「お、ナナじゃないか?」


『!!』



バッと姿勢を低くして飛び掛かる準備をしていると焦った声で待ったをかけられた。




「俺だ俺!」


『……ニャウ?(シャマル?)』



窓際にあるベッドから出て来たのはトライデント・シャマルだった。
彼とはイタリアにいた頃知り合った。




逆でていた毛を元に戻して座る。



「お前が日本に来てたって話は本当だったんだな。」



机に寄り掛かりナナの方を見て話すシャマル。




「てかなんで猫の姿なんだ?幼女の姿の方なら大丈夫なんだろ?」


『ニャッ。』



首を横に振り拒否。
キョーヤと約束したのだ。
学校にいる間で、キョーヤの側以外は猫の姿でいる事って。



大好きなキョーヤとの約束を破るわけにはいかないのだ。



首を横に振ったナナに内心首を傾げていたシャマルもそうか、と言うしかなかった。




「お前さん今何処にいんだ?その様子だと飼い主がこの学校にいるな。」


『!』


相変わらずこいつは鋭い。しかしこの姿では名前を言えない。
そう悩んでいるとガラッと扉が開かれた。



現れたのは―――




次→

- 8 -


[*前] | [次#]
ページ:




×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -