37.一族とあの人。
その後、タイミング良く窓から現れたリボーンの手により沢田が死ぬ気モードに入った所だった。
『……今更出てきて沢田の助っ人か?』
「やっぱ、気付いてやがったか。」
窓に寄り掛かって沢田と雲雀を見ているとすぐ隣から良く知った気配を感じた。
『闇の舞神子と呼ばれた身だ。甘くみるなよ。』
「流石……一族の生き残り、だな。」
『ッ!その事は…関係ない…。』
眉間に皺を寄せ顔に影がさしてしまった夜依にリボーンはくいっと目深く帽子を下げた。
「お前……まだあの事を引きずっているのか?」
『………。』
「あいつも言ってたぞ。あれはお前のせいじゃねぇっ…て。」
『!……そう…あの人、そんな事を言っていたのか…。』
奴の話をした途端に夜依の顔が和らぐ。
……やっぱり、こいつの中にいるのはあいつなんだな。
あいつの話になると少ない表情が表に出る。
「お前、相変わらずあいつにべったりだな。」
『な!う、うるさい!』
顔を赤面させる。
本当にこいつ、あいつの話になると別人になる…。
「そーいえばなんで夜依が此処にいんだ?」
何故だかそう聞いたリボーンに言ってはならないと思った…。
こいつはファミリーを結成させる為に、雲雀を引き入れるつもりだッ!!
『たまたま通っただけだ。』
この嘘もいつ見破られる事か…。
リボーンは聡い奴で頭がキレる。
横目でリボーンを見ていると調度雲雀が沢田の顎にトンファーを決め込んでいた。
「さーて。後の二人も救急車に乗せてもらうぐらいにぐちゃぐちゃにしないと。」
『……!馬鹿者ッ!!』
夜依が叫んだと同時に雲雀に倒されたと思われていたツナが起き上がり、彼の拳が雲雀の頬に直撃する。
それを窓際から見ていた夜依と彼の家庭教師のリボーン。
『!相手から目を離すなと、油断するなってあれほど教えただろうにっ……!』
「………。」
ぼそり、と夜依が小さく言ったつもりでも隣にいるリボーンには聞こえていた。
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