36.草食動物と護衛人。




「あ〜、いつつっ…。」


後ろの方でどうやら沢田が目を覚ましたらしい。


『今頃起きたのか。』


「ぇ……って!闇市さん!?!」



え、な、どうして闇市さんが此処に!?しかも優雅にコーヒー飲んでるし!!!
闇市さんを見ていると隅の方にある影が視野に入る。
恐る恐る見てみると…




「ご、獄寺君!?山本!!なっなんで!!?」



友達の二人が気を失って倒れていた。
獄寺君と山本を見ているとソファーで座っていた闇市さんが俺の方に近付いてくる。




『おい沢田。何故お前達は此処に来た。』


「あ、リ、リボーンに言われて…」


『!やはりあいつか…』



腕を組んで視線を横にやっている闇市さん……って!闇市さんの後ろにいる人がさっきから俺の事を睨み付けてんですけど―――!?




「ねぇ…」


『うん?』


「夜依、そこの草食動物と知り合いなの?」




草食動物って……まさか俺!?
いや、あながち間違ってないような気はするけど!!
ひぃ――――!!!あの人めっちゃ怖ぇ!!



あ、れ?今この人、闇市さんの事名前で呼んでた…。



「(だけど闇市さん、気にした様子じゃなかった…)」




ど、どうゆうこと?


色々と疑問を抱いていると、




『知り合いではない。ただの護衛人だ。』



い、今ただの、を強調した――!!



「ふぅん。君が、そうなんだ…。」




何故か分からないが鋭い目で睨まれる。
こ、腰が抜けたッ…




「あぁそうそう。そこの二人は起きないよ。彼等にはそうゆう攻撃をしたからね。」


「!」




それって、つまり……
この人一人で二人を倒しちゃったってこと―――――!!?



ヤバイ!ヤバイってこの人!!
闇市さんを名前で呼んでることからしてヤバイ人だ!
本能がそう言っている!




「ゆっくりしていきなよ。救急車は呼んであげるから。」


『良かったな沢田。』


「(いや!良くないから絶対ッ!!)」




ガタガタと身体が震える。


そうだ!闇市さんは俺の護衛役なんだよな?
だったら!


一つの希望に賭けて闇市さんに助けを求める。




「た、助けて下さい闇市さん!」



だが、




『甘えるな自分で何とかしろ。』



あっさり切り離された――――!!!
希望から絶望に変わった瞬間だった。




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