33.委員会の部屋割り。



「プリントにあるように、これが2学期の委員会の部屋割りです。」



前でそう言う生徒会長の話を聞きながらふぁと小さく欠伸をする。
ここ並盛中に来てから調度一ヶ月が立つ。
学校生活には慣れて来て風紀委員の仕事にも慣れてきた。
………と、言ってもこれが始めての仕事だったりするが。




つまらない会議に早く終わらないかな…と窓に寄り掛かりながら外を眺めていると一人の女子生徒がプリントに書かれた部屋割りを見て口を開かせる。




「え―っ!何これ!?応接室使う委員会ある!ずるい!どこよ!」



急に叫んだその女子を睨み付けるように見れば、女子の隣に座っていた男子が「風紀委員だぞ!!」と顔を青くさせてそう告げている所だった。



彼の口から出たその言葉に口許を抑える。
その様子を見ていた夜依は己のやることに不満を零した言葉に隣にいる自分の弟子は黙ってはいないだろうな、と思っていると、




「何か問題でもある?」


……ほらな。


女子生徒は座っていた椅子から勢いよく立ち上がり「いえ!ありません!す、すいません!ヒバリさん!!」

と頭を下げる。


「じゃ、続けてよ」




それを聞き満足気な顔でそう言う雲雀。
何とか早くに会議が終わりそうだと思っていた矢先…。





「でもおかしくね?応接室を委員会で使うってのは。」


「のっちもそー思う?」


「インボー感じちゃうよ」




等と、三人の緑化委員が反意的な発言に頭が痛くなってくる。
どうしてこう…。しかも奴ら無駄に群れてるから余計に腹が立つ。




「…君達は仲良し委員会?代表は、各委員会一人のはずだけど……」



声を低くして言っている辺りからどうやら雲雀もその群れが嫌だったらしい。
すぐ隣から放たれている不機嫌オーラに溜め息をつく。





ヒバリのそのオーラと睨みにビクッと身体を強張らせるが一人の緑化委員が先程からヒバリの隣で腕を組み窓の外ばかり見ている夜依の姿が目に入り、また口を開く。しかしその言葉がいけなかったのを彼は知らない…。







「だったらそっちはどーなんだよ?闇市さんがいるじゃん!!」


と夜依を見てそう言う。
その言葉に他の二人もそうだ!と加わってくる。



「それに闇市さんはついこないだ転入してきたばっかじゃん?」


「なんで会議に出てるんだよなぁ?」





次々と出てくる意見。
話の原因となっている当の本人は窓に寄り掛かって外を見たまんま。
まるで話を気にしていない様子。






「へぇ……君達、群れてるだけじゃなくて、夜依が此処にいる事に意見する気?」



殺気とも言える気を放ちテノールな低い声で三人組みを見据えるヒバリ。





草食動物の分際で夜依の話を持ち込むなんて…。


周りにいる各委員達はヒバリのただらなぬオーラに顔を青ざめ冷汗を流す。それは「もうこれ以上ヒバリを怒らせるな!」と言っているかのような。




その委員達の様子に夜依は小さく息を吐き、視線を隣に流す。




『雲雀、もういいよ…。確かにそいつの言う通り、私は此処に来たばかりだ。』


この会議で初めて口を開いた夜依に皆そちらを向く。




「…そぅ。じゃ、僕らは行くから後は勝手にやってね。」




行くよ夜依、とヒバリは夜依の腕を掴んで会議室を後にした。



ヒバリと夜依が出て行った瞬間、


闇市夜依には逆らってはいけないだの、あのヒバリに意見した女とゆう噂がたつのも遅くなかった。





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