25.職員室に案内。



「闇市さん!待って下さいッ!!」




スタスタと速い速度で歩く闇市さんを追い掛けている。


闇市さん足速ッ!





『何故私が待たなければならない。沢田、速く歩け!』




顔だけ振り向き不機嫌そうに顔を歪めている夜依。






『ここが―――並盛中学校…』




ほぼ走り続けだった俺は闇市さんの後ろで息を乱れさせていた。
そんな中、周りからの視線を感じたツナは乱れた息を整えながら自分の周りを見渡すと。
校門前で立ち尽くしている闇市さんを見て顔を赤らめる生徒が大勢いた。






「あ、あの、闇市さんって…三年に?」


『そうだが?』




風に踊らされた黒い髪が宙を舞う姿はやはり妖艶で、大人っぽい闇市さんに自然と顔が熱くなる。




(……はっ!お、俺には京子ちゃんが!!)



ブンブンと頭を振っていると頭に重い衝撃がきて身体が前のりになった。

「ったぁああぁあ!!」


『さっさと私を職員室に案内しろ。』


「(いや!だからって普通肘で頭殴るか?!)」



殴られた後ろ頭を涙目で手で撫でていると無言で今度は拳を握る夜依を見て慌てて職員室に向かう。






「(やっぱり闇市さんって怖ぇ―――!!!泣)」






泣く泣く夜依を職員室に案内したツナだった。
そして、夜依には逆らってはならないと悟った。



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