23.この状況。
『ん……』
カーテンの隙間から零れる朝の光が目に入り目が醒める。
(……朝か…)
まだ寝ぼけた頭でくぁ、と延びをしようとする、が、身体の自由が利かない。
(そういえば……なんか暖かいな…?)
疑問に感じて瞼をゆっくり上に持ち上げると………
『…………!?』
目の前にあったのは雲雀の寝顔だった。
身体の自由が利かなかったのも、暖かいと感じたのも、
(雲雀が私を抱き枕にしていたからかッ!!!)
「ん……夜依?」
私が動いて目が覚めた雲雀。
まだ寝ぼけているのかぼっーとしている。
『雲雀!目を覚ませ!そしてこの腕をは、な、せ!!』
ペシペシと丸い頭を叩くとやっと目が覚めたのか目がいつも通りの色になる。
「夜依…おはよう」
『!』
普段では考えられない優しい顔付きで挨拶をする雲雀に不覚にも驚いてしまった…。
『あ、え……うむ、おはよう雲雀。』
「うん」
ふぁ、と雲雀は呑気に欠伸をしている…が、忘れてはいけないこの状況!
『雲雀、何故私はお前に抱きしめられている?』
そう、何故私が、お前の腕の中にいるんだッ!!
そう言って今だ抱きしめている雲雀の顔を見る。
「夜依って…抱き心地良いね。」
『……それはつまり肉付きが良い、と言いたいのか?(怒)』
どうせ腹辺りの肉付きは良いさっ!!
と、ムスッとしていると背中に廻されていた腕がススッと腰に宛てられる。
『?!』
「?……別に普通だと思うけど?」
不思議そうな顔をしながら腰に宛てていた手を確かめるかのように上から下へとスライドさせている。
『ちょ…雲雀!く、くすぐっ……たッ…!』
身をよじってなんとか腕から解放されベッドから降りた私を見ながら雲雀も寝ていた身体を起き上がらせていた。
「……夜依、ちゃんとご飯食べてるの?」
痩せすぎだよ、と眉間に皺を寄せて言えばちゃんと喰っている!と返された。
『はっ!それより学校だ!!』
私は先に行くぞ!とタンスからリボーンに用意されていた並中の制服を取り出し部屋を出た。
慌ただしく部屋から出て行った夜依の後ろ姿を優しげな顔付きで見ていた雲雀はふぁあと小さく欠伸をする。
「クスッ………それじゃ、僕も学校へ行く仕度をしなくちゃね…」
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