21.通うは並盛中学校。



唐突な夜依の言葉につい腑抜けな声が出てしまった。
当の本人は今ベッドに腰をかけている。
僕もその隣に座り、夜依と視線を合わせる。






「………貴女……確か今15歳ぐらいじゃなかったっけ?」



『?そうだが?』




首を傾げて何を突然?と言いたげな顔をしている夜依。




「今の時期に三年に転入するつもり?」




はっきり言って今の時期……ましてや三年に転入してくる生徒なんてそう居ない。てか夜依が初めてなんじゃない?




『私は学校に行くのが初めてでな……少し、楽しみでもあるんだ。』




柔らかな顔で話す夜依に自然と雲雀も柔らかな顔になっていたのは本人も知らない。





『それに並盛中学校だぞ!まさか好きな街の学校に通える日がくるなんてな…!』


「…!!」




いま……並盛中学校って………言った?





「夜依……並中に行くの?」


『あぁ。そういえば雲雀は学ランだから違う学校か?何処に通っているんだ』


「……並盛町にある学校だよ」




突然機嫌が良くなり、口角を妖しく吊り上げている雲雀に少し引き目を感じた…。


なんだ……この嫌な予感は…










―雲雀said―




ふぅん…。


夜依、僕の並盛中学校に通うんだ…。
良かった。僕は学生で風紀委員長だから学校に行かなくちゃいけない。
だから家でしか夜依に会えないと思ってたけど、学校でも毎日会えるんだね…。






夜依に学校は何処に通っている、と聞かれたけどあえて言わなかった。




だって、その方が面白いでしょ?





明日、夜依が並中で僕に会ったらどんな顔をするか楽しみだね。









そうだ…明日校長に頼んで夜依を応接室に来させればいいかな…。そしたら必ず会えるしね。






ふふっ……明日が楽しみだよ…夜依。






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