16.10代目と御対面。



『そういえばリボーンに……並盛中学校の屋上に来いと言われたっけ?』



先程携帯の方に来たメールの内容を思い出しそこでまた別の事でん?と首を傾げる。




学校………そういえば普通に話していたから忘れていたが雲雀の奴……学校はどうしたっ!?
学ランは羽織っていたから学校には通っているのだろうが……






『今は……昼時だぞ…』



腕に付いている黒の腕時計を見る。



『ハァ……まぁ良いか。雲雀の家に行く前に、リボーンの所へ行くか…』



渡された鍵をポケットに入れ並盛中学校に向かって足を運ばせる。
















―――


『並盛中学校……ここか…』




歩いて数分した所に学校はあった。
五年前と変わらないなこの町は…。
お陰で迷わずここまで来れたよ。



今は昼時だから学校内は生徒がうろついているだろう。
見付かったら色々と面倒になるな…。


校門の前で腕を組んで少し考えた末によし、と口を開き…







『普通に行くか…』




と組んでいた腕を解いて学校の中へと侵入する。















―――

「り、リボーンさん…それは……本当ですか?」



リボーンが学校の屋上に来て俺に新しい家庭教師が来るからここに居ろと半強制的に言われて待つ事数分。
黙っていた獄寺くんがリボーンに聞いた一言が始まりだった。




「あぁ。そいつは強い。その強さは計り知れないぐらいに…な。」




あのリボーンが、人を誉めるかのように言ってるなんて……どんだけ凄い人なんだよ!?



そう考えていると…





ガチャン、と俺達が来た方から聞こえた扉が開く音。
地面に座って話していた俺と獄寺くんと山本は誰が来たんだ?と思い扉の方を見るとそこにいたのは全身を黒に纏った女の子とは言えない綺麗な女性がいた―。





「あ……」



どちらさん?と声を掛けようとしたら






―ガチャン




「「「…………」」」



えぇええええええぇぇええぇ!!??!



あまりの出来事につい叫んでしまう。


だ、だってあの人………扉を開けて俺達と目が合った瞬間に扉を閉めたんだよ!?




唖然として扉を見ていると見兼ねたリボーンがその閉ざされた扉に向かって声を掛ける。




「夜依、来たようだな。入ってこい」




―ガチャ




しばらくしてまた扉が開かれた。





「―――っ」




屋上に風が吹き、彼女の黒く長い髪が宙を舞う。ツナ達三人はその美しさに息を呑む。


長い髪が舞ったからではなく、風に舞ったその髪に見合ってしまう程の美貌の持ち主に息を呑んだのだ。



闇のような真っ黒な髪に馴染むような蒼い吊り上がった瞳。





「(うわっ……綺麗な人だな…)」




頬が熱くなるのが分かる。きっと山本や獄寺くんも綺麗な人だなって思っていると思う…。
現に二人共、顔が赤いし…。




『リボーン……これはどうゆう事だ?』


屋上に入ってきたその女の人は真っ先にリボーンの方を睨み付ける。



こ、こわっ!!




「黙ってたのは悪いがこうでもしねぇとお前はツナに会いそうになかったからな…。」




リボーンが人に謝った!?あのリボーンが!?初めて見たぞ!あいつが人に謝った所!!!





『……もしかして…こいつが…?』



くるりと吊り上がった蒼い瞳でこちらを見てくる。



「そうだぞ。ダメツナも早く自己紹介しねぇか」


ガツンッと背中を蹴られる。


「いってぇえ――!!」


「じゅ、十代目!?」


『ふぅん……本当にそいつが次期ボンゴレの十代目なんだ。』


「「!!」」




この人、どうしてその事を!?




「ツナ、こいつがさっき言った家庭教師だぞ。」


「えぇ!?こ、この人が!?」


「リボーンさん!!こいつ女ですよ!?」


「美人さんなのな〜」


「山本?!なんか色々と言う事違ってる!!」




あれこれと食い違う。
だって二つ三つは年上だろうけど年の近い彼女が俺の家庭教師って……



「てかその前に、誰?」


リボーンがあぁゆうって事は凄い人なんだろうけど……




「あ、俺は沢田綱吉っていいます。」



ギロッと睨まれる。
な、なんで!?




ひぇええ―――!!!(泣)
見た目よりめっちゃ怖ぇこの人!!




「夜依、」


『…………………夜依…闇市 夜依。ボンゴレ九代目の依頼でイタリアから来た。』




リボーンに言われてやっと言った名前。


「こいつはイタリアでも有名な殺し屋なんだ。マフィア界でこいつを知らない奴はいないぞ。」


「こ、殺し屋ッ!?」






この人が!?




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