14.五年間の悔やんだ想い
『それが当然の想いだ…』
「……ちょっと、僕の今の想いを無駄にする気?」
不機嫌そうに口を歪ませる。
なんで貴女はそうも鈍いの……
そこも昔と変わらないって訳だね…
「(そこだけは変わっていて欲しかったよ…)……だけど、僕には貴女を恨む事なんて出来なかった」
『うん』
「恨みより、悲しみと、悔しさの方が大きかった」
『…うん』
「だけど、何か理由があって、僕の前から消えたんじゃ?って思うようになった」
『!』
「今考えれば、僕の都合の良いようにそう解釈していただけなのかもね」
そう考えなければ、嫌われたのかもしれないとゆう想いに潰されそうだったから…
『雲雀…』
両頬を包んでいる僕の手の上にそっと夜依の手が重ねられた。
「夜依?」
『ありがとう…雲雀』
そう言って、五年前とは違い五年経って綺麗になった彼女の…夜依の微笑んだ笑顔は一生忘れない……
分かってくれていて……ありがとう、雲雀。
お前のその言葉で……
五年悔やんでいた気持ちが…救われた気がした。
― END ―
アトガキ→
- 15 -
[*前] | [次#]
ページ: