11.その呼び声。
『ふぅ……』
急に肩にぶつかって、怒りをぶつけてきた男達を相棒のトンファーで殴り気絶させた。
こっちは片付いた……
次は、と。
目線だけを後ろの林に持っていく。
『さっきからそこの林に隠れてる奴。出て来なよ。』
「!!」
息を呑み込むのが伝わってくる。
気が付いていないとでも思っていたのか…。
林からこちらに向かって歩いてくるのが足音で分かる。
奴は気配は消していた。普通の人間には出来ない芸当…。
と、言う事は………
私を狙って日本まで来たマフィアか殺し屋か…?
内心舌打ちをする。
もしそうなら情報があまりにも早過ぎる。
あれこれと私が倒した屍達を見て考えながらも気を張り詰める。
だが、なんだ?
後ろにいる奴は殺気所か襲ってくる様子すら伺えない…
ただ黙って私の少し離れた後ろで立ち尽くしているようだ。
『?』
不思議に思っていると
「夜依?」
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