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51.帰ってきた片割れ。





骸は腕の中で意識を飛ばして眠っている自分の片割れを見る。



「クフフ…やっと、会えましたね……僕の可愛い葵。」




愛しそうにその白い頬を撫でる。
最後に見た姿とは見間違えるほど成長して大人になり、美しくなった妹。自分が見ない間に彼女はこんなにも変わったのか…と思いふけっていると背後から二つの気配。
その気配が敵じゃないと分かっている骸はそのまま背中を向けた姿勢で話す。




「千種に犬……ですか。」


「骸様…」



千種の声を聞き葵を腕に抱えたまま後ろに振り返る。
すると自然的に二人の目には骸の腕の中でぐったりとして気を失っている葵の姿が見えた。



「!葵さん…!?」


「葵っ…!……骸様、」



骸の腕の中でぐったりとして動かない葵に犬と千種は慌てて駆け寄る。
千種は彼女は大丈夫なのかと言いたげ骸を見遣った。



「大丈夫。気を失わせただけですから。」


それを聞いた二人はほっとする。
自分達にとってこの少女も今目の前にいる男と同じぐらいに敬愛しているのだ。




「骸様……」


「えぇ…やっと葵が僕達の元に帰ってきた……。」




愛しそうに葵を抱えてアジトに帰る為にそのまま公園を後にする。






公園に残ったのは沈黙と地面に転がった一つの鞄だけだった……。



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