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49.過ぎ去った後ろ姿。





その後、恭弥君はまだ仕事があるとの事で私は先に帰り今日の夕飯の為にスーパーまで足を運ばせていた。


葵の後ろには雲雀が心配して風紀委員を護衛に付けさせている。


何故側では無いのか、
それは彼女のことを思って側には付けさせ無かったのだ。
風紀委員もその事を理解している為無理に近付かず、離れた場所から護衛をしていた。





『…えと…玉葱、お肉、牛乳はまだあったから、卵……。』




鞄を胸に抱え買いに行くリストを忘れないようにぶつぶつと口に言いながらスーパーに行くための道を歩く。




『恭弥君…最近疲れてるから…』



彼の大好きなもの、ハンバーグを食べさせてあげたい。
少しでも彼が安らげられるように…。




自分は失ったはずの安らぎと癒しと心を、彼はまたくれた。
だからまた笑えるようになった、楽しい、嬉しいとゆうものがどんなものかも彼は、恭弥君は教えてくれた。

力になりたい。




私は強くないし、弱虫だし、人が苦手……。
だから恭弥君のゆう草食動物を狩る、なんて出来ない。
そんな私でも、彼にしてあげられる事はただ彼の側にいて、支えてあげること。
これは私にしか出来ない事で…私が、してあげたい事。




道の曲がり角を曲がると、






『―――!!?』



今まで見せたことの無い顔をさせ葵は目の前の光景を見た。






な、なんで





大きな瞳を丸くさせ、こちらに背を向けて歩いている学生を見る。
学生服から見ると多分黒曜中の生徒。
不思議と周りには自分とその黒曜中の人しかいない。




目の前を歩く人物の容姿にただ驚くしかなかった葵の目は、目の前を歩く男の髪にいく。

この日本では滅多にいない藍色の髪に驚いたのではなく





私と、兄しかしていない独特の髪型を…




していたから――――










『あっ……』




黒曜の人は公園に続く次の曲がり角を曲がって行ってしまった。





『っ…!』




凍っていた足が自然と彼の後を追って走り出す。



「!?葵さんッ!!!」




後ろからは慌てたように叫ぶ風紀委員さん。
だけど私はその声すら耳に傾け無かった。






だって、あの髪型はっ…




……あの髪型は!!




額には冷汗なのか脂汗なのか分からない汗が流れる。
曲がり角を曲がって走っていると公園にたどり着く。




もし、私の間違いじゃなかったら…あの人は……




嫌な方向に考えながらも胸に鞄を抱き抱えて公園を見渡す。



どこッ、 何処にいるの?













―お兄ちゃんッ!!!



















































「クフフフ…僕を呼びましたか?葵………。」





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(やっと出会えた双子の片割れ…)



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