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47.予兆と夢。







「見つけましたよ……僕の可愛い―――。」













『――ッ!!』



ガバッ、と掛けていた布団を身体の上から退かす。
部屋を照らすのは太陽の光り…朝だ。



葵の身体は汗でびっしょりで、額から流れる汗が顎を伝って布団の上に落ちた。





『ハァッ…ハァッ…ハァッ……』




なに…今の………夢?



激しく高鳴る胸の鼓動に両手を心臓の上に重ねる。
確かにさっきまで見ていたはずの夢。
だけど内容が思い出せない……。
何か、何かが、私を………呼んでいる――?





ベッドの上でじっとしていると窓から小鳥が入り窓際でこちらを見つめていた。





『……おいで?』



指を差し出せば待っていたとゆわんばかりに擦り寄ってくる。
人差し指に足を絡ませ可愛いらしく鳴く小鳥に小さな笑みを浮かべていると今度は少し大きめな鳥が入って来た。




―ピィッ

―ピィピィ



指にとまっている小鳥を見つけた入ってきた鳥はまるで咎めるように小鳥に向かって鳴く…。
それを見ていた葵はその光景がどこか懐かしく思いながら見ていた。







『あ…』










「葵!葵!」


『どうしたの、お兄ちゃん?』


「あぁ葵!一体何処に行っていたんですか!?」


『……小鳥さん達と遊んで…たの。』


「葵、勝手にいなくなったりしないで下さい、僕は奴らにお前が連れていかれたのかと思い心配していたんですよ?」


『…ごめんなさい。』


「まぁ無事でしたから良かった。今度からは僕に言ってから行くんですよ?」


『ちーくんや犬ちゃん達には?』


僕だけに言えばいいですから(にっこり)」


「骸様…」


「骸様だけ葵しゃんを独り占めするのはずるいれす!」


「葵には僕だけで十分です!」


『私…ちーくんと犬ちゃん…好きだよ?』


「Σ!?!(ショック)」


「へへっ!俺達も葵しゃん大好きれすー!」


「け、けけけ犬!この馬鹿犬!葵に抱き着くのは止めなさいとあれほど躾をしたでしょう!」



―ギャー、ギャー!















『――――。』



ッ…何でっ、何で、今更あんな事を………



首を横に振り脳内の映像を消す。




嘘よ、あの過ごした日々は、夢だったの…。
本当の幸せでは無かった……。


手に止まっていた小鳥を窓で待っている鳥に向かって飛ばしてやる。
さぁ…おかえり、自分の幸せの元へ。




小鳥と鳥は仲良く空に向かって飛び立って行った。




今の私の幸せは…







「葵、起きたのかい?」




ここにある……



『恭弥君…。』



まだ寝ていると思ったのか葵を起こしに来た雲雀はベッドの上で顔色が悪い彼女に異変を感じ葵の側に寄る。



「嫌な夢でも見た?」


ベッドに座り汗のせいで額にへばり付いている葵の長い前髪を払い、両手で頬を包み額と額を合わせた。




『…大丈夫。ありがと恭弥君。』



今彼は並盛の事件で大変なのだから……私のことで、無駄な心配を掛けちゃ駄目…。
悟られないよう笑顔で応えた。





「………。」


『…?』


「いや、朝食を食べようか。」




しかし雲雀は気付いていた。
葵の夢見がここ最近、悪いことを…。


またそのせいで、どこか元気の無い表情をするが自分に心配をかけまいと無理に笑っていることも雲雀はとっくに気付いていた。




もっと甘えてもいいのに…






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(今日の夕飯、ハンバーグね。)

(うん!)



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