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46.二人の男。





「うっ!ぐはっ!!」



並盛町の夜9時を過ぎる頃…。
鈍い音を立て地面に倒れたその男は身体中に傷を負い、腕には風紀と書かれた腕章を付けていた。


その男を倒したと思われる二人の男がそいつを見下ろしている。





「よえーよえー。風紀委員恐るるに足らーず!」


一人はだらしなく舌を出している逆立った髪の男ともう一人は眼鏡をかけた猫背の男が風紀委員に近付く。




「こいつ何本だっけか?…まぁちょっくら頂いていくびょーーん!ほいっ♪」




―バキャ



「ぎゃぁああぁぁぁあ!!!!!」















――――――
――――




「今日の仕事はこれで終わりれすねー。」



まるでやるべき任務を果たしたかのように気楽に歩き、片手に先程風紀委員から抜いた歯を手の平で投げては掴む、投げては掴むを繰り返して遊んでいる男に猫背の男は眼鏡をくいっと上げる。







「………―――。」


「!!」




自分の一歩後ろを歩く眼鏡の男がぼそりと口にした名前に前を歩いていた男はハッと振り返った。逆立った男と目が合った眼鏡の男はすっと目線を外しまた口を開かせる。



「……もうすぐ…」



その言葉の意味が分かったのか金髪の男は拳を握り締め、



「…そうらびょん!もうすぐっ……もうすぐ!!」





何処か二人とも悔しげな顔をし、脳内にはあの日の記憶が蘇っていた。






それは自分達の主であり、二人が着いていく男にそっくりな少女の事を…。




あの場に一人、置いてきてしまった………























―犬ちゃん!ちーくん!










花のように可愛いらしく笑っていた君をもうすぐ………





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(もうすぐです、骸様)

(もうすぐで、あのお方が我等の元に――)


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