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TITLE 45.痛みと不安。 情事も終わり、二人楽しく(?)花火を見れた葵と雲雀は祭から帰って家にいた。 家に帰って来た雲雀達。雲雀は情事後で喉が痛いのか、台所で水を飲んでいる葵に声を掛ける。 「葵。」 『?』 「中に入ったままで気持ち悪いだろ?先に風呂に入ってきなよ。」 その言葉に両手でコップを握り一気に顔を赤くさせた葵。 コクコク、と頷き顔を俯かせてぎこちない足どりで風呂場に向かった。 「くすっ…本当、葵は何時までも初々しいよね。」 中に入ったまま、とは 先程僕が彼女の中に出した欲望のこと。 最近シていなかったせいか、今日はやけに量が多かった気がする。 「………。」 ふと携帯を見るとメールが一通届いていた。 宛先は草壁。 アドレスや番号は葵と風紀委員にしか教えていない。 メールを開くとその文を見る。 ――――――――― ―――― 委員長がひったくり犯を捕まえに葵さんから離れた時、葵さんは知らない男と接触してしまわれ不安定な状態になっていました。 何も葵さんの身には無かったのですが、念のため連絡致します。 ―――― ――――――――― 「…知らない男?」 並盛の人物ではない、とゆうことか。 草壁や風紀委員達には並盛の住人は把握させてある。 それを"知らない"、のはその男が並盛の住人ではないから…。 洗面所の扉が開くと何時も通りの髪型で寝間着に着替えた葵が風呂から出て来て雲雀がいるソファーに近付く。 「……葵、新しい包帯を巻いてあげるからおいで…。」 呼び声を掛けて目の前に座らせると身体や腕に巻いてある古いのを取り、新しいのを巻いてやる。 「うん、大分良くなったね。」 傷が残らないようで安心したよ。と葵の腕に包帯を巻きながら言う雲雀に葵はじっと見つめた。 『……、』 「…また僕に迷惑掛けてると思ってるだろ。」 『え…!』 バッと顔をあげた葵にふぅと息を吐き、 「『なんで分かったの?』って顔してるね。」 ……こくっ 小さく顎を引き頷いた葵の頬、火傷の赤みがまだ引いていない頬に手を宛てる。 「君は本当に分かりやすい…。」 『……。』 「でも分かりやすいようで、分からない…。」 君の右目の事や、何故マフィアとやらに狙われているのか… 何故君は、人間不信になってしまったのか…… 僕は君の事を何一つとして知らない…。 昔の僕なら力付くでも聞いていただろう。 でも今の僕、葵に会ってからの僕には彼女にそんな事は出来ない。 「君が話してくれる日を待つよ、葵。」 『…うん。』 葵は頬にある雲雀の手を握り、目を閉じたまま頷いた。 ありがとう、恭弥君。 いつか、いつか話すから…。 今はまだね、話したいけど話せないの… 私があの日を思い出したくないから…… あんな、殺伐の世界で怖がりながらも生きてきた日の事を… 私のせいで犠牲になった儚い命のことを…… 思い出したくない…… チリッと、右目に痛みが走る。 その痛みはこれからの事を予兆していたのかもしれない…。 END (…抱き着いてもいい?) (!…いいよ、おいで。) ―もふっ (抱き着く) (…あったかい……) ((さっき抱いたばかりだから我慢しないと…)) . |