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39.ひったくり犯を捕まえろ!





草壁くんと二人で神社の下まで来た。



この上に…恭弥君が?


葵が階段の上を見上げていると隣にいる草壁が肩に優しく触れる。



「葵、俺は此処で待っているから…委員長に会ってこい。」


『草壁くん……あ、ありがとッ…』




頭を下げてから葵はカラン、コロンと下駄の音をさせながら長い階段を上がっていった。














葵から離れて、草壁に連絡を取り至急彼女の元に行くように手配をした。


僕を除くと葵が平気なのは草壁しかいないからね。


葵の事は草壁に任せた。
あれでそれなりに役に立つ男だ。まぁ風紀副委員長だから当然だけど。
後は並中の風紀委員長であり、並盛の秩序である僕が彼等を追い詰めるだけだ…。




目の前にある階段を上がって行くとそこには大量の獲物の群れとその中心にいるのはあの草食動物…。



とりあえず目の前にいる奴をトンファーで殴る。




―ドサッ



「嬉しくて身震いするよ…」



血の付いたトンファーを一振りして血を落とす。



「うまそうな群れを見つけたと思ったら追跡中のひったくり犯を大量捕獲…。」


「ひ、ヒバリさん!!!」




え、なんでヒバリさんが!?



急に現れたヒバリさんにライフセーバーの人達は眉間に皺を寄せ、手に持つ武器を強く握りしめヒバリさんを囲む。



「んだっこいつは!」


「並中の風紀委員だ!」


彼を知らない者と彼を知ってはいるがこの人数に勝てはしないと思って強気に出ている者。




まさかヒバリさん…


俺を助けに…?




このタイミングで来てくれたとゆう事はまさか…とゆう希望が沸く。
あのヒバリさんが……




「集金の手間がはぶけるよ…君達がひったくってくれた金は、風紀委員が頂く。」




またあの人は自分のことばっかり――――っ!!!(泣)




「で、ですがヒバリさん!ヒバリさんでもこの人数はヤバイんじゃ…!」



気が付けば二人の周りには不良の群れが囲んで逃げ場を無くしていた。
ツナは後ろでトンファーを握って構えている雲雀を見るが彼は眉一つ動かす事なく、寧ろ嬉しそうに口許を緩ませてる…。




「だったらお前も戦え。」




砦の上からリボーンの声がしたと同時にズガンッと銃声の音と額に走る衝動。





「復活!!!死ぬ気でケンカーー!!オラァ!来やがれ!」




ツナが死ぬ気弾を撃たれるとドカァァン!と階段近くで響いた爆発音。




「10代目!!」


「助っ人とーじょー!」


爆弾を構えた獄寺とバットを構えた山本が参戦しに来てくれたのだ。
二人はツナ達がいる所まで行きそれぞれの武器を構える。
爆弾を両手に構える獄寺、バットを構える山本、そして素手のツナにトンファーを持つ雲雀。




ボンゴレファミリー、





「フッ…ヒバリとの初の共同戦線だな。」


「冗談じゃない。ひったくった金は、僕がもらう。」



その言葉を聞いたツナ達の反応は三人とも同じで一言…。


「やらん!」


死ぬ気のツナの言葉に獄寺は当然っス!と言い周りの不良共を倒す。




「やっぱヒバリは強ぇな。ボンゴレに必要だ。」


神社の屋根の上で皆が戦ってる姿を見物しているリボーン。
ふと、隅の方に映る人影…。




「(あいつ……そうか。ヒバリの後を付けて来たんだな…。)」










―バキィッ




「…お、終わった…」



リボーンに死ぬ気弾を撃たれてから獄寺君に山本まで来ていて参戦していたとゆう…。
な、なんでこんな事に…




ハァ―と脱力感を感じていると獄寺君が駆け寄って来てくれた。



「10代目!お怪我は!?」


「大丈夫、ありがと〜」


なんとかお金も取り返したし、一件落着、と思っていたが―――





「さて…君達からもそれ、貰わなきゃね。」





忘れてましたこの人を――!!!(泣)




「ちょ!ま、待って下さい!!」









―葵Side―




階段を上がり終わると恭弥君とあの三人のボンゴレ達が不良さん相手に戦っていた…。
私は邪魔をしてはいけないと近くの木に隠れていた。私が出て、恭弥君の邪魔になるのは嫌だから…。




鈍い音が止むとひょこっと木の影から頭を出して覗き見る。
不良さん達は全員倒されており、恭弥君は何やらあのボンゴレの人達と揉めていた。




『?』


「ちゃおッス」


『ッ!?』



全く気配を感じられなかった為驚く。
隣にはあの、アルコバレーノがいた…。




『ぁッ……』


「何もしねぇから怯えんな。それよりヒバリを止めてくんねぇーか?」


『……?』













「さっさと寄越しなよ。」


「うっせぇ!!誰が風紀野郎なんかに!!!」


「ヒバリ、今回は見逃してくんねー?」


「ヤダよ。」



さっきからこの調子でこの公民館の修理代を巡っての戦い…。
山本の言うように、今回はどうしても譲れないんだ。
このお金はこないだ公民館で壁を壊してしまった為に今日皆で頑張って集めた修理費。
だから……







しかしそんな事は知らない雲雀は段々苛ついて来たのか仕舞っていたトンファーをまた取り出し身構える…




「そぅ…なら、力付くで頂く。」


トンファーを構え、金を持っている俺に向かって走り出したヒバリさんにもう駄目だ!!と目を固く閉じる……しかしいつまで経っても痛みは来ない…

不思議に思いながらも目を開けると俺の目に映ったのはヒバリさんの腕にしがみつく葵ちゃんの姿だった。




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(え、なんで…彼女が…)


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