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TITLE 37.甘いキスの味。 雲雀の隣を静かに歩いている葵はチョコバナナを見ながらぼっーとしていた。 「…溶けるよ?」 『!……う、ん…。』 先程からチョコバナナを見たまま食べようとしない葵。 ただじっーと見てるだけ。 「…。」 『あ、』 チョコバナナを持っている手を捕まれそのまま恭弥君の口に運ばれていきパクっと一口食べられる…。 一口食べると掴んでいた私の手を離し、 『?』 「僕が食べても平気だったんだから食べれるでしょ。」 甘いな…と口漏らしながらまた歩き始める恭弥君…。 気付いてたんだ…。 葵は雲雀を見ながら手に持つ少し欠けたチョコバナナをゆっくり口に運び食べる。 前を歩いていた雲雀は肩越しから葵を様子を伺う。 ―パクっ 『………甘い…。』 そう言った葵は僕の方見ながら柔らかく微笑む。 「……。」 『?………ッ!?』 急に近付いてきた雲雀に葵は首を傾げていると軽く腕を引っ張られそのままキスされる。 びっくりして顔を引こうとするが手首は捕まれて恭弥君の手が頭の後ろで逃がさないよう押さえているから逃げられない。 恭弥君の舌が私の口の中で動き回る。 『ぅ……んぅ…!』 逃げても追い詰め舌を絡ませる。 声を出しても全て口の中で消えてしまい言葉を成さない。 暫くして、気がすんだのか軽い音を立てて唇が離れた。 『ッ……。』 「クスッ…顔赤いよ?」 『!』 「…やっぱり、甘いな。」 親指で唇をなぞってからポンポン、と顔が赤いであろう私の頭を軽く撫でながら言う。 「ごちそうさま。」 何処か妖艶な笑みで言う彼は確信犯だと思います…。 『…〜〜〜。』 「……。」 顔を離すと更に顔を赤くさせ、浴衣の袖で口許を隠している葵の姿。 葵のその動作の一つ一つが、僕の中の獣を煽らせるんだ。 次→ (…抱きたいな…。) (は、恥ずかしい…っ) . |