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TITLE 25.叶わない叫び。 『っ……ぅ…。』 血を流しすぎたのか、目が霞む……。 駄目…ここで気を失ったら……また闇の中に連れて行かれてしまう。 だから…駄目…… もはや槍を握る力もなく、カランッと葵の手から滑り落ちる。 駄目……気を失っちゃ… だ………め…… 立っているのがやっとだった葵の身体は今度こそ気を失って倒れてしまった。 沈黙とした中。 どうしようと悩んでいるとこの場に似つくわぬ声が裏庭に響き渡る。 「ガハハハハ!!ランボさんはこっちだもんね〜!!!」 「待つ、ランボ!!」 「(げっ、うるさい奴らキタ―――!)」 突然のランボとイーピンの登場にツナ達。特に獄寺がげっと顔を歪ませる。 「何してんだよ!」 「ランボ、イーピンのとっておいたケーキ、食べた!!許せないッ!」 「ランボさん知らないもんね―ーだ!!」 人の足元で喧嘩するのやめてくれ!と内心で叫ぶツナ。 ハァ―と深い溜息を付いているとランボが髪の中に手を突っ込み、 「ランボさんの――逆襲!!」 手榴弾を投げ出した。 それをジャンプしてかわしたイーピン。 「ランボ!学校で手榴弾を投げるなってあれほ、どぉ――――!!?」 「10代目?」 「い、イーピンがかわした手榴弾が!!!」 先程ランボがイーピンに向かって投げた手榴弾がイーピンが避けた為、その後ろに倒れている葵に向かっていた。 葵は今気を失っている。 ツナ達が助けようと走っても遠すぎて間に合うはずもなく、手榴弾は真っ直ぐ葵に向かう。 「だ、駄目だよ間に合わないッ!!!!!」 ツナは逃げて!と叫びたかったが気絶してる葵にそれは叶わない。 ― ボォオオオォォンッ!!!! 「………!!」 次→(爆発する直前、一瞬だったけど黒い何かが見えた…。) . |