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24.それはもう手遅れで…





っ!これじゃ拉致がねぇ……。



10代目の右腕がこんな所で時間食ってられっかよ!!!




こうなったら……!





「俺は10代目の右腕だッ!!!ぜってぇ果たす!!二倍ボム!!!」


「いきなりそれ―――――!!??」




いきなり大技できたことにツナが叫ぶと同時に獄寺は二倍ボムを葵に目掛けて放る。

いきなり二倍ボムにしたのにはそれに仕掛けがあったからだとゆう事をツナは知らない。





『っく!!』



勿論それを知らない葵も槍を頭の上で振り回してボムを弾き返したり刃の方で切る。




が、











『―――ッ?!』



小さい爆弾が!?そっかこれは目の錯覚で他のと同じ大きさに見えてたんだ…!




「へっ今更気付いてももう遅いぜ!足元もお留守だしな。」


『…あ……。』




はっと足元を見るとそこにはいつのまにか数個の爆弾が落ちていた…。



―よ、避けきれない!!










「果てな。」




―ドカァアアアアァァン!!!!






『ッきゃぁぁあああ!!!!!!!!!』




爆音と爆風により葵の姿は悲鳴と共に完全に見えなくなってしまった。



爆風によって軽量の葵は飛ばされ地面に叩き付けられる。





『っ……』




身体中に走る痛み。
目を開けてみれば目の前にあった腕には擦り傷や火傷の跡。




頭が、朦朧とする…。



地面に叩き付けられた時に頭を強く打ったのだろうか…。

そういえば額から生暖かいものが伝う感覚がある。






『っう……。』




爆発により出た煙幕で周りが見えないがすぐ近くであの人達が騒いでいる声が聞こえた。




―獄寺君!!何してんのさ!!


―10代目!あの女は果たしましたんでもう大丈夫っすよ!!


―笑顔で何言ってんの―――!!?


―なぁツナ……あの女子大丈夫かな?




そんな会話が朦朧としている私の頭の中で響く。




『………。』





負け……ちゃ、た…。



私…またマフィアに、捕まる?


また、私は閉じ込められるの?



あんな、暗い何もない世界に……戻るの?




葵がまだ朦朧としている頃には周りを漂わせていた煙幕も消えかけていた。
もくもくと煙幕は薄れていき、葵の姿と近くにいたツナ達の姿も表す。




煙が薄れてツナ達の目に映ったものは、俯せに倒れている葵の姿だった。




「!(あの子、あんなに怪我してる!!)倒れちゃってるじゃんあの子!!獄寺君やりすぎだって!!」


「ヒバリの手先に手加減は無用です!」


「とりあえず保健室に運んだ方が良くないか?」




山本の言葉に大きく頷いたツナは葵の方に向かおうと一歩足を踏み出した。




『………くッ……。』



が、意識を戻した葵に睨まれた瞬間、自然と足は止まってしまった。彼女の目がこれ以上自分に近付くな、と言っているような目だったから。









葵は彼等に負けた事に一筋の涙を流す。


葵にとってマフィアに負けるとゆうことは決して許されない事だった。
彼女にとってマフィアに負けるとゆう事はそのマフィアの後について行かなければならない。



それは、雲雀との別れも意味する。













― 葵…






ッそんなの、嫌っ!!!!





軋む身体に鞭を打ち、腕に力をいれて俯せに倒れている身体を起こす。
下からと上からの爆弾を避けきれなかった身体は酷い有様だった。
それでも##name_1##は立ち上がろともがく。
負ける訳にはいかない。




『っ……負け……な、い…!』




傷だらけな身体で、ふらつく足で立ち上がっている彼女の姿を見てツナは顔を歪ませる。



擦り傷と火傷で身体中ボロボロだ。





『…っ………ハァ…ハァ…。』


頭から流れる血は彼女の顔を紅色に染める…。
左目から流れる一筋の涙がその流れる血と混じって頬を伝う姿は、まるで血の涙を流しているようにも見えた。


そのあまりに痛々しい姿には隣にいた山本や獄寺君までもが顔をしかめていた。

多分獄寺君もあそこまでするつもりはなかったんだと思うけど…。





だけどそれはもう……










手遅れだった。



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(あんなにまでなってでも、彼女は戦おうとしていた。)



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