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TITLE 21.戦闘体勢。 「やっと…着いた…」 走り続けた三人はようやく学校へと着いた。 校門近くであの子を探して目線をさ迷わせていると、 「!10代目!あの女いましたよ!!」 「え!?」 獄寺君が指した方を見ると確かにあの子がいた。 「裏庭の方に行ったぜ!」 「そっちってなんか風紀委員がいそうだよ!!」 相槌を打ち、三人は裏庭にへと消えたあの子の後を追った。 「ここを右に曲がれば――」 「!ツナ危ねぇッ!!!」 「ぐぇっ!」 突然山本に襟元を引っ張られ後ろに引かれる。 襟元を引っ張られたので自然に首が絞まり軽く咳き込んで何事かと前を見ると目の前には山本の背中があって通称、山本のバットで何かを受け止めていた。 『――――!?』 「あ、君は……!!」 山本の後ろから顔を覗かせてみるとあの子がいた。し、しかも槍振り下ろしてるし!! さっき山本が引っ張ってくれなかったら…… 最悪な事態を考えてサァ――と顔を青くさせる。 「ふぅ、こんなの振り回しちゃ危ないだろ?」 『!!』 そう普段と同じ声で優しく言った山本が触れようとした瞬間あの子は大きく後ろに跳んで俺達と距離をとる。 「10代目!!お怪我は!?」 「だ、大丈夫だよ。」 尻餅着いて茫然としていた俺を獄寺君が起こしてくれた。 あの子はあの時みたいに槍を構えてこっちを睨み付けている。 「この女!10代目になにしやがるッ!果たすぞてめぇ!?」 「ま、待って獄寺君!!」 ツナが叫ぶが時すでに遅し、獄寺は葵に向かって爆弾を投げていた。 もう駄目だ――――!! と思ったとき。 『……。』 「なっ―!!」 「槍で爆弾の火を消した!!」 「すっげえのなあの女子!」 葵は獄寺に投げられた爆弾の導火線を全て槍の先で消したのだ。 爆弾の火を消された獄寺は目を見開き葵を見る。 葵は両手で槍を廻した後に身構えて戦闘体勢に入っていた。 次→ (あの女…やっぱただ者じゃねぇッ!!!!) . |