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TITLE 18.また来年の春に(微裏) 『恭弥君、大丈夫?』 桜から離れた場所でベンチに座っている恭弥君に濡らしてきたハンカチで額に流れる汗を拭う。 「桜から離れたからね。だいぶマシになったよ。それより花見、出来なくてごめんね。」 『!ううん!恭弥君は悪くないッ!花見ならいくらでも出来るよ。桜から離れていても恭弥君と見る桜は花見だから。』 恭弥君の首に腕を廻して前から抱き着く形で彼の肩に顔を埋める。 恭弥君は悪くない。だから謝らないで…ッ。 腰に彼の腕が廻って抱きしめられる。 ピタッと身体が密着して二人の心音が重なって響く。 「本当、可愛いこと言うね葵は。」 『え?』 「君の言葉がいつもどれだけ僕の理性を崩しているか…。」 『?』 肩に埋めていた顔を持ち上げて恭弥君の顔を覗き込むと同時に背中に感じた痛み。 目の前には恭弥君の顔と青い空とその空を流れる雲。 『きょ……。』 「野外プレイなんて…そういえば初めてだよね?」 『!!』 室内でヤるのと外でヤるのとは大分違う。葵は顔を真っ赤に染めて嫌々と首を振る。恥ずかしさから目は涙目で潤って。 その行動ですらただ僕の中の獣を煽るだけ。 ぐっと桜色の唇に自分のを深く重ね口付ける。 舌を使って葵のと絡めて。 『んぅ…ふっ……』 「……ハッ…、」 手はブラウスの中に入れ中学生にしては豊富な胸を下着越しからやんわりと揉む。 『っ……!』 「手、冷たかった?」 身体が軽く強張ったのでそう聞けば小さく頷く。 『でも私、恭弥君の手…優しくて好きだよ…。』 「!…そう。」 細い目を一瞬見開かせるがすぐに元に戻って私の首筋に顔を埋める恭弥君。 チクッと首筋に走る痛み。 多分そこは紅くなっているだろう。 強く吸われてそこに咲く紅い華。 それを満足そうに見た後、付けたばかりの痣をペロリと舐めて。そこを甘く咬みながら片方の手は太股を撫で内側へと向かう。 『〜〜〜っ!』 これは本格的にヤバイ、と感じた葵はぎゅっと固く目を閉じるしかなかった。 『…っ……。』 「……クスッ、」 『?』 そんな時、突然咽の奥で笑い胸と太股から手を離して身体を起こしたヒバリに葵は首を傾げながらも一緒に起き上がった。 「ごめんね、少しからかっただけだよ。」 それに君の身体を他の奴らに見せたくはないからね。 と耳元であのテノールの声で言われて顔が熱くなる。 『また、からかわれました…。』 「僕がこんなことをするのは君だけだよ。」 そう言って頬にキスを一つ送られる。 ずるいよ、そんなこと言われたら許しちゃう…… だって何時だって、私は貴方に溺れているのだから。 もう貴方がいなければ生きていけないほど、私は貴方に夢中なんです。 兄とは違った好きの形。兄とは違った側にいて欲しいとゆう気持ち。恭弥君と出会って初めて知った恋。 私の初めては全て恭弥君だった。 恋も、キスも、身体の交わりも…。 後悔はしていない。 寧ろ全て恭弥君が初めてで嬉しかった。 彼がいたから今の私がいる。あの日恭弥君に会わなかったら…こんな素敵な気持ちに気付く事もなかった。 不思議だ。 あの頃はマフィアや人間が憎くて、皆いなくなればいいなんて考えていたのに。 今はそうは思わない。 恭弥君といるうちに随分と心が癒されたらしい。 ベンチに座ったままそんな事を思って上の空でいると恭弥君が横で口を開かせ、 「葵。」 『?』 「来年は……花見、出来るといいね。」 『!うん…!』 ねぇ、恭弥君…。 こんな素敵な日が… 毎日続けばいいだなんて、 私の我が儘かな? そんな平和な事を願っていたから…… あんな事に、なったのでしょうか。 ―END― (それより君、いつまでそんな恰好でいるつもり?本当に襲うよ。) (!!///) ((これで我慢していられる僕は理性が強いと思う…)) . |