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17.ヒットマンの殺気。





ツナは地に膝を着かせたヒバリに自分がやったのかと叫んでいたがリボーンの言葉でそれが違うと知る。
ヒバリは自分の身体に何が起きたのか分からない状態でただ細い目を見開いていた。




ヒバリに殴られたシャマルは頭に手を添えながら起き上がる。



「そいつにかけた病気は桜に囲まれると立っていられない桜クラ病だ。」


「(またヘンテコな病気だ――!)」



またシャマルの意味不明な病名に冷汗を流しながらヒバリさんを見ていた時だった…。






『―――ッ!!!』


「わぁっ!?」


「じゅ、10代目!?」


突然目の前を横切ったモノに驚き尻餅を着く。
はっと前を見るとヒバリさんを庇うように前に何処から出したのか細長い槍を構えてこちらを睨み付けているあの子の姿があった。
















草食動物に留めをさそうとしたら急に身体の力が抜けて気が付けば地に膝を着いていた。
話しを聞く限り、どうやらあの酔っ払いの奴に変な病気をかけられたらしい。



僕としたことが油断したね。



頭がくらくらとして眉間に皺を寄せる。
彼等の前で膝を着くなんて……。




そう咬み締めていると目の前に影が差し、紺碧色に輝く長い髪が風に揺れる。





「葵…ッ!」



僕の前で武器を構え草食動物達に立ち向かうようにして立つ彼女。
僕と違って戦いを好まない彼女が…小量の殺気を放ち槍を構えて戦おうとしている。




『……。』


「っ!この女10代目にッ!!」


「獄寺君!」



ツナを庇うように前に出て獄寺は構える。



「リボーン!獄寺君を止めてくれよ!!」


「………。」


「リボーン?」



後ろにいるリボーンに獄寺を止めるように言ったツナだがリボーンは真剣な眼差しで葵ちゃんを見つめていた。





「葵…。」


『!恭弥君っ!!』




後ろを振り向きヒバリさんの心配をするあの子。やっぱり、ヒバリさんの知り合いなのかな。
てか槍を持ってる時点でヒバリさんと同じ?!



葵ちゃんはヒバリさんの背中に手を添えて立ち上がるのを手伝う。




「約束は約束だ。せいぜい花見を楽しむがいい。」




桜クラ病がかかったままヒバリさんはふら、ふらと葵ちゃんに身体を支えてもらいながらこの場を去った。


張り詰めていた空気に自然と溜息がこぼれる。
山本や獄寺君もそうだったのかふぅと小さく息をこぼしていた。




「にしてもあの風紀野郎といた女…ただ者じゃないっすね。」



煙草を出して口許に持っていきながらそう言った獄寺君にリボーンが反応を示す。




「獄寺も気付いていたか。」


「リボーンさん!」


「どうゆう事だよリボーン?」




山本の肩がお気に入りなのかそこに腰を落ち着かせるリボーン。
目深く防止を被り口を開かせる。







「あの葵って女から……ヒットマンの殺気を感じた。」





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