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16.彼等はヒットマン。





さっき近寄ってきたあの男の人と、木の上にいるあの赤ん坊……





―トライデント・シャマルに、アルコバレーノ!!



どうしてマフィアの二人がっ…!

マフィア界で彼等の名を知らない人はいない。



私は向こうを知っていたけど向こうは私を知らない。
当たり前だ。
私達、実験体は表に知られる事は無かったのだから…。



そして気掛かりなのが…黄色いおしゃぶりを持つあの赤ん坊。



彼は確かボンゴレ9代目が側に置いているヒットマンのリボーン。
その彼がどうしてジャッポーネに……。





少し(かなり)離れた場所で恭弥君と彼等を見ていると銀色に輝く髪を持った怖い顔をした男の子が爆弾を構えながら叫ぶ。




「10代目!俺が行きます!!奴だけはどうしてもぶっ飛ばさなきゃ気が済みません!」






…10、代目?




銀髪の男の子の言葉に内心疑問を抱く。確かに彼は後ろにいるススキ色の髪をした男の子にそう叫んでいた。




ボンゴレ9代目が寵愛しているヒットマン…
そして彼の言った10代目とゆう言葉……






『!まさか、彼は次期ボンゴレ……10代目?』




一つの合点に辿り着く。



あの人が……マフィアの、ボス?





ヒヤッ…と背筋が凍る。


マフィアが……しかもマフィア界で一番な、ボンゴレのボスがこんな近くにいただなんて!!


彼等は並盛中に通う生徒だ。以前、応接室に紛れ込んできたのを恭弥君に叩き潰されていた所を給湯室から見ていた事がある。





どうしよう……




マフィアが、マフィアが近くにいただなんて…!!


もし私の存在が、彼等にバレたら…………













私は……ジャッポーネには居られないッ




それどころか…




恭弥君と…離れなくてはならなくなるッ……。




それだけは……嫌。





嫌だよ………





―――恭弥君…っ
















獄寺隼人と山本武を倒し、次は沢田綱吉と戦うらしい。




早く終わらせて葵の側にいてやらないと。あの子には、僕しかいないから。
今あの子は怯えている。僕には解かる…誰よりも、彼女の側にいるから。






「死ぬ気でヒバリを倒す!!」




あの時のように急に人が変わった草食動物。



彼は不思議だ。

繰り返されるツナの攻撃を無駄のない動きで避ける中、目の前でコロコロと変わるツナを見て考えていた。



彼はいつもはそこらで群れている弱い草食動物達よりも弱い男だ。
それが時にこうやって草食動物から肉食動物に豹変する。
強かったり弱かったりしてよくわからない。



僕はいち早く。てっとり早く知りたい。
だから…





「殺してしまおう。」



そうすれば彼は草食動物だったのか、肉食動物だったのかが解かる。
彼には何かがあると前回の一件で知った。


大きくトンファーを後ろに引く。





「わっ、ちょっ!まって!!」

死ぬ気のタイムリミットにより元に戻ったツナに容赦なく迫るヒバリのトンファー。









あの茶髪の男の子が叫んだと同時に恭弥君の身体に異変が起きた。



『っ!?』


「!」


「なっ!?」



来るはずの痛みがこないのに目を開けると、目の前の現状にツナは驚く。





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