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14.酔っ払いと赤ん坊。




―ツナside―



『恭…弥君?』




冷え切った雰囲気に似つかわぬ可愛い声。
そちらの方に目線をやると木の影からこちらを見ていた女の子がいた。
右側の顔には包帯が巻いてあって前髪が長い。





「え、だれ…あの子?(かわいい子だな///)」


「おかしな髪型してんのな(可愛いなぁ//)」


「ケッ!」




獄寺君…顔赤いよ?


隣にいる獄寺君の顔を見ていると視界にヒバリさんの顔が見えた。





「!葵…なんで此処に?」




あ、あのヒバリさんが驚いている――――!!?



目を見開いてあの包帯を巻いている女の子を見遣るヒバリさん………って、


あの子ヒバリさんの知り合いなの!?つーか恭弥君って…まさか……それってヒバリさんのことか!?




ヒバリさんもあの女の子の事、葵って呼んでたし…


葵ってあの子の名前かな…?




葵ちゃんって子はヒバリさんを見つけると安心した顔で走り寄って行く。



『恭弥君!』


「葵…向こうで待ってるように言ったでしょ。」


『………一人、だったから…。』





突然現れた少女は普通に怖がる事なくヒバリさんの側に寄る。
ヒバリさんもさっきまで俺達に向けていた鋭い目付きではないものを彼女に向けていた。




あの群れるのを嫌うヒバリさんが……女の子を連れている?




唖然と驚いていると木の影からシャマルとリボーンが現れた。










―雲雀side―



近くで待っているように言っといたのに来てしまった葵。
一人にさせたのがいけなかったのかな。
でも君、人が苦手だからあえて連れてこなかったのに…




そう思っていると酔っ払いと赤ん坊が現れた。



赤ん坊から出された提案で花見の場所を賭けて草食動物達とゲームをする事になった。
互いに膝をついたら負けとゆうもの。




ちょうど群れを咬み殺すのにいい。




『!きょ、恭弥君ッ……』


「葵、どうしたの?」




くいっと学ランの裾を引っ張られて葵の方を見ると、彼女は赤ん坊と酔っ払いを見て顔を青ざめ震えていた。




「葵…」



大丈夫?と言う言葉が続くことはなくあの酔っ払いが近付いてきていた。




「へ―、おめーが暴れん坊主か。お前姉ちゃんいる?………って、おっ♪いるじゃん!可愛い子ちゃん!!」




僕の後ろに隠れている葵を見つけるとそいつは顔を緩めて彼女に近付こうとする。




『ッ!ひっ……!』


「!この子に触るな。消えろ。」


「のへ――――!!!」



葵に汚らわしい手で触ろうとした酔っ払いを仕込みトンファーで殴り倒す。



ぐしゃっと潰れたように倒れるそいつを見た後に後ろにいる葵に向き直る。




「葵、どこも触られてない?」


『…う、ん。』




顔は青ざめカタカタと身体が震えていた。
この怖がり方は……初めて会った日にスーツを着た男達に襲われていた時のと似ている。





「葵…」


『わ、私…知って……あ、あの人ッ……』




あんな近くに僕以外の人間が来たからちゃんと呂律が廻っていない。
混乱状態だ。
葵は知らない人間に話掛けられたり触られたりすると人間拒絶反応が出て頭が真っ白になってしまう。
さっき倒したあの男……葵と何か関係があるのかな。
葵は彼を知っていたみたいだったけどあの男は葵を知らないみたいだ。






「分かったから。もう良いよ…。」



とりあえず葵の震えを止める為、優しく頭を撫でる。





「葵、僕は彼等とゲームをしてくるから、危ないから離れていなよ。」




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(君は僕が守るから)

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