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4.出会った日の事。





「葵……葵、起きて葵…」




自分を呼ぶ声に閉じていた左目を開ける…





『恭……弥く…ん?』




目を開けると不機嫌そうな顔をしてこちらを見ている私の大切な人。




「全く、見回りに行って帰ってきて見ればソファーで無防備に寝てるだなんて……」




どうやら私は恭弥くんを待っている内に寝てしまったらしい。




『ご、ごめん…ね』




ソファーの上でつい正座をして謝る。
すると頭の上に優しく置かれた手。
恭弥くんの手だ…。私より大きくて、温かくて…



撫でられて目が緩む。




―気持ちいい…





恭弥くんに頭を撫でられるのが好き。なんだか心がほっとするの…。






「別に君を怒ってる訳じゃない。ただもう少し警戒して。」




君は鈍感なんだから。
そうはっきり言われグサッと何かが身体に刺さったような感覚に囚われた。





『ぁ……うぅ…』


ぐうの音も出ません…。ましてや人間不信な私を心配してくれての言葉だと分かっているから尚更だ。





「クス…眉間に皺、寄ってる」







ツンと眉間を指で突かれる





『むぅ………あ、』


「?」


『あのねさっき、昔の事を夢で見たんだよ…。』


「昔?……あぁ、僕と君が初めて会ったあの日の事かい?」


『うん!』




葵がにこりと嬉しそうに笑うからつい僕も口元が緩む。
そういえば初めて葵と会った時、彼女は凄く人を怖がっていたから僕にも自分から近付いてくる事は無かったな。



スーツを着た男達から助けた後すぐに気を失った葵を何故か放っておくことが出来ず、自分の家に連れ帰ったあの日。
今でも新鮮に覚えている。あの時の君は、小さな子猫に見えたからね。



























――――




スーツを着た男達をトンファーで殴り倒して改めて彼女の姿を目に入れる。


「………(なに、あの果実を思い出させそうな髪型は…)」


『…………』




目を見開いてこちらを見るワンピースを着た傷だらけな女の子。




「……ねぇ」


『…ッ!!』




びくっと小さな身体を揺らし、さっきの奴らに向けた様に怯えた目で僕を見る女の子。





「君……夜中に出歩くなんて…風紀を乱すつもり?」


『あ……っ…』


「!?ちょ、君!」




突然気絶して倒れてしまった彼女を抱き抱える。近くで見るとやはり身体は傷だらけで服は泥で汚れていた。





「……かなりの栄養失調と寝不足、みたいだね」



目下にある隈に沿って親指を滑らせる。


傷だらけの身体を横抱きにして抱き上げればあまりの軽さに驚く。





「ワォ…これが人の重さだなんてね…」




じっと彼女の顔を見てから種を返すようにその場を後にした。







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(傷だらけの身体を優しく持ち上げた。)





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