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2.夜の月夜の出会い。










「や、やめてくれッ!俺達が悪かった!!」




夜の路地裏で数人血を流して倒れているなか必死に助けを求める奴と銀色に光る棒、トンファーを構えた少年がいた。





「僕の前で群れるのが悪い。」



「もうヒバリの前では群れない!!だから助け……!」



「うるさい」





次の瞬間には骨の折れる音と男の断末魔が路地裏に響いた。
雲雀は血の付いた愛用のトンファーを一振りして血を落とすと服の中へと仕舞う。




ポケットの中から黒い携帯を取り出して数回ボタンを押すと、携帯を耳に宛て相手が出るのを待つ。二回呼出し音が鳴った後に草壁の声がした。






「はい委員長!」



「並盛商店街の路地裏にいた群れを咬み殺したから後片付けよろしく」




用件を言って電話を切る。






今年並盛中学校に入学し、風紀委員長となり、並盛の秩序となった雲雀は毎日夜遅くまで町の見回りをしていた。
風紀を乱す者、群れている草食動物達を咬み殺すために。







「ふぁあ………弱いばかりに群れを作る…下らない」





今日はもう草食動物はいないかな…



帰ろうと種を返そうとするが物凄い速さで数人、目の前を通って行ったのを見て口角を吊り上げる。

どうやらまだ、咬み殺さなきゃいけない群れがいるみたいだ。






夜のため影で顔は見えなかった何かから逃げる様に先頭を走っていたのは多分、女の子だろう。
ワンピースみたいのを着てたし。
そしてその彼女を追うように走って行ったのはガタイからして大人の男。


まぁ何にせよ、女だろうが男だろうが僕の前で群れる奴は咬み殺すだけ。




すぐに走って行った奴らの後を追う。




少し走った奥の所でそれは居た。





壁に追いやられたらしい彼女は遠くからでも分かるぐらいに震えていた。やはり顔は影で見えない。






「やっと追い詰めたぜ!!散々逃げやがって!オラ!こっちに来い!」



一人の男が彼女の震えていた腕をガシッと掴む。


彼が彼女の腕を掴んだと同時に雲に隠れていた月が顔を除かせ光が差し込まれ彼女の顔を映した。




『ッ!!!や、やだぁ!!』



「!」





月の光で映し出された彼女の顔は美しかった。
おかしな髪型をしているが丸くパッチリとした蒼い瞳。
右目は怪我をしているのか包帯を巻いていた。
眉は悲しげに垂れて。
白いワンピースに身を包んだ細身な身体。
所々その身体に傷が付いていた。



そしてなにより気を引いたのが彼女の透き通った綺麗な声だった。
鈴のように綺麗な声。





良く見れば彼女は腕を捕まれた瞬間、先程よりも震えて目は恐怖に包まれ涙目になっていた。





何故かその姿を見た瞬間、何かが切れる音がした。










「ねぇ、何してるの?」





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