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42.好きの違い…








「おっと、オラァこれで失礼するぜ!親方が待ってっからな!!」


「そうか、平八も頑張っ!!」


「おう!杏雫もまた今度茶飲みながらでもゆっくり話しようぜ!!」




そう言うと手を振りながら来た道を戻って行った。
それをじっと見ていると隣に来た与一さんはあいつと俺は幼馴染みなんだ。と笑って話してくれた。




幼馴染み、か。
不意に此処へ来て離れ離れになってしまった幼馴染みの顔を思い出す。
頭は良いのに不良で…。性格は少し短気ですぐ喧嘩をしたがるけど………















ボクをずっと、守っててくれた人……




こんなボクなんか放っとけばいいのに…彼はずっと側に居てくれた。支えてくれた。








掛け替えのない、大切な人。





何度感謝しても足りないくらい、彼には恩がある。



紺は好きだ。でもそれは幼馴染みとして、親友として、友達として、家族としての好き。





じゃあ、梵天は?






急に胸が暖かくなり胸の鼓動が早くなる。








そうしてる内に平八が呼んだと思われる人達が次々とこの屋敷に足を踏み入れ与一さんと会う。



その様子を見て少し顔色を青くさせる。
やはり人が多い場所は苦手だ…。
額に手を宛て流れてくる冷汗を拭う。


それに気が付いた与一は杏雫に近寄り声を掛ける。




「顔色が良くないみたいだが気分が悪いのか?」


『少しね…大丈夫だよ(笑)与一さんは早く彼等にこれからどうするのか話てきなよ。ボクは、此処にいるから。』


「……無理すんなよ?杏雫が身体壊してまで俺は手伝って貰いたくはないからさ。」


『本当に大丈夫だって!少し休めば治るから。』




そう言われたら帰れ、とは言えなくなった与一は渋々杏雫を庭に残して家の中に入る。
それを確認した後、溜息を吐く。





『ふぅ……よしっ!』




両頬を軽く叩くと屋敷の中に入る。








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