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40.下町へ行こう!








「杏雫、こんな朝早くに一体何処へ行くのだ?」




朝早くにいつもの夢を見て目が醒めた杏雫は頭に布を被って与一の所へ行こうと門の外へ出ようとするが、庭にいた空五倍子に声を掛けられる。





『ちょっと…下町まで!!!』



空五倍子に気付いた杏雫は門の前で振り返り、にこっと笑うと一言言って下町へ向かって行った。




「こ、これ杏雫!!梵に言ってかr……」


「良いよ空五倍子。」


「っ!?梵…起きておったのか」




後ろから現れた梵天は空五倍子の隣まで来る。
目は眠そうに細められている…それは起きたばかりとゆう事。





「良いのか?杏雫を下町に行かせても…何か厄介な事に巻き込まれでもしたら……。」


「もう巻き込まれてるよ。」


「なぬっ!?ならやはり…っ!」



今にも彼女を連れ戻そうとしている空五倍子の背中を蹴飛ばし踏み付ける。



「だからこの俺がいいと言っているんだ。放っておいておあげよ。」


「し、しかしだな…うぐぅ!?」


「俺に逆らうのはこの口かぃ?ほら、さっさと中に戻るよ。」




ぎゅうぎゅうと空五倍子の身体を地面に押し付けた後梵天は一人屋敷内に入って行った。
残された空五倍子は地面に埋められた身体を起こし、杏雫が出て行った門を見詰める。








「ハァ…露草もおらぬし…本当に杏雫一人だけで大丈夫であろうか?」




等とブツブツ言いながらも梵天に続き屋敷内に入って行った…。








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