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アイツに似ている女










『えっ…』


「…お前が忘れなきゃ……一人でも知っていてくれる奴がいれば…別に良いんじゃないか?///」


『……(じっー)』


「狽ネ、なんだよ!?//」


『えへヘ、やっとボクと話してくれたね』




にこっと微笑む女。
不覚にも赤面してしまい目を反らす。
反らした先に女の頬から流れる赤いものに目がいく。



「お前、その傷」



それは先程の男にやられた傷。



『あ、うん!大丈夫!このぐらい!』


「…………れ。」


『はぃ?』


「座れって言ってんだよ!!(怒)」


『はぃいいいいーー!!!(泣)』




やっと座った女の頬の傷の具合を見、傷にあった薬を出す。
女は首を傾げており頭が付いていっていないらしい。


「薬だ。じっとしてろ。」


『っ!』



傷口を沿うようにして薬を塗っていく。
思ったより深く切られてはいない。



「ほら。」


『あ、血が止まってる…』


「だろ?生地黄のしぼり汁で止血薬になる。消毒をしたかったら金銀花をしぼり汁にして傷口に塗ればいい。」


『へぇ〜…。これ草から出来た薬なんだ。じゃあ感謝しなくちゃ!!』


「…は?」


『え?だってそうでしょ。草の命をボクが貰ったんだから…感謝しないと!どんなものにも命はあるんだから。』


「!」



“どんなものにも命はあるのだから。それを忘れてはいけないよ?露草”



ふっとあいつを思い出す。そうか、俺がこの女を避けていたのは人間だからとゆう単純な理由だけじゃない。
この女があいつに似ていたからだ。髪の色や目の色まで同じなこの女が。
知らない内に心が避けていたんだあいつに似ているこの女から。




『?どうしたの少年Aくん?』


「……前から聞きたかったんだがその少年Aってのは何だよ?」




確か初めて会った時もそんな風に呼ばれていた覚えがあるな。
女は目をぱちくりとさせ、じっと俺を見つめる。




『だって、ボク君の名前教えて貰ってないもん。』


「あ?」



そういや言ってなかったか?こいつと関わるつもりなんてなかったからな……
だけど…




「……。」


『ボクは杏雫!名前を教えてくれる?』


「…露草だ(笑)」


『あ!初めて笑った!!!』


「狽、わらってねぇ!!」


『いーや!絶対笑った!見たもん!ま、これから宜しくね露草?』


「……別によろしくしなくてもいいぞ。(苦笑)」




本当に変わった人間の女だ。こいつは…他の人間達とは考え方が違う。
まだ話したばかりだがそんな気がする。
あいつがこの女を気に入った理由が気に食わないが分かった気がした。




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(露草照れてる?)

(だ、ま、れ ッ!!)


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