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ブレスレット









『わぁ!すっごいなぁv町の中ってお店がいっぱいだ!』



思いきって町に出てみて良かったv部屋に置き手紙してきたから大丈夫…だよね。
↓↓
“少し町に出掛けてくるね。”






町に来て色んな店を見てまわっているんだけど、さっきからチクチクと人の視線を感じるんですが……;;
周りを見れば皆物珍しそうにしてボクの方を見ていた。
そりゃ確かに服は皆と違って制服のままで変な恰好に見えるだろうけどさ、そんなにがんみしなくっていいじゃないかっ!!
町の中を一人歩きながらそう思った。
それともやっぱり…この髪の色が気味悪いのかな?



“あっちへ行ってよ!汚らわしい!!!!”




『―――っ!』


思い出すな…思い出すな!!

歯を食いしばり顔を歪める。しかしある一軒の店の品物に目がはいると嫌な事を忘れ店の前で止まりその品物をじっと見る。




『このブレスレット…』


「気に入ったのかい嬢ちゃん?」


『!!!!!』






人の声がした途端、反射的に身体を店の前から離す。店の奥から来た男の人はどうやらここの主人らしい。優しそうな顔をした老人でその雰囲気にボクは少しだけ落ち着くことが出来た。人に声をかけられるのは苦手だ…。




……そう、そうはずなのに………何で梵天達とはあんなにすぐ打ち解けることが出来たんだろう?
助けてもらったから?
見ず知らずのボクを屋敷に置いてくれてるから?
髪の事を気にせずボクを見ていてくれてるから?



わからない…ボクは一体なにがしたいんだ?






急に黙り込んでしまった杏雫に店の老人は疑問を持ったのか心配そうな顔でこちらを見ていた。



「嬢ちゃん、気分でも悪いのかね?」



『…!大丈夫です』



「そうかぃ?ならいいんだが…。それにしてもあんたまた珍しい着物を着てるね。」



『(苦笑)』



「それよりこれ気に入ったんだろ?」




苦笑でいたボクを気遣ってか話を変えてくれた老人が品物が置いてある台から手にしたのはボクが見ていたそれ。



「あんた自然は好きかな?」


『!は、はい//』


「いいことだよそれは(笑)ほれ、もっていきな」




そういいボクの手にそれを押し付ける。



『え!お、お代は…!』



ボクは今無一文だ。なにかを買うお金なんて持ってない!!(冷汗)

すると老人は微笑み、



「いいんだよ。どっちみちそれは売れなかったんだ。今の若いもん達はそれには目を向けず派手な物にしか目がいかんくてな。だから破棄される前にあんたに貰われた方が一番いいじゃろ。」


『……本当に、良いんですか?ボクなんかが貰って。』



手の中には先ほどから見ていたブレスレット。
葉っぱをモチーフにしたブレスレットで一枚ずつ葉がならんでいて綺麗だと思った。だけど…ボクが持っていたらこの綺麗さは保てない。




「貰ってやってくれ。折角葉の命をもらって出来たそれを破棄するわけにもいかん。だから、の?」


『…………分かりました!ありがとうございます!』


「ん、ではワシはちょっと用事があるんでこれで失礼させていただくよ。」


『はい、本当にありがとうございます!!』




老人とは別れてボクは再び歩き出す。
あの人本当にいい人だな。こんな綺麗な物をただでくれるなんて。
貰ったブレスレットをポケットに入れて町を出た。




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