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夢主視点








あの少年と廊下ですれ違った後、与えられた部屋でぼんやりとしていたボクは外の空気を吸おうと思い、庭に出た。



庭に出て歩いていると風が吹き、風で揺れるボロボロな制服。




「あっ、制服ボロボロだ……高かったのになぁ」



スカートの裾を掴み溜息を零す。最近溜息ばかりついてるな。
先ほど少年とすれ違った時の事を思い出す。
あれ完璧な無視…だよね?庭の一本のデカイ木に身体を寄り掛からせる。



『…あの少年に嫌われてる…よね。』



ちょっと、いや、かなり悲しい。誰かに嫌われるとゆうのは……怖い。
その怖さを知っているからこそ、その味わいをまた受けたくない。
人に拒絶されられるのは………もう…こりごりだ。



癒える筈のない傷が痛む。一生消える事のない…この傷が……。



『ボクは…どこにいても厄介者…か。』



それは何処にいても変わらないって事だね。
現実は変わらない。



『あー!もう辛気臭い雰囲気はぺっ!ぺっ!』


気合いを入れる為両頬を叩く。


『諦めないよ!絶対に少年の口から名前を言わせてみせる!!』



邪険にされようがうざがわれようが負けない!!
女は度胸!





よぉーし!話しは纏まった訳だし……空五倍子に遊んでもらおっーと!




紺、いつ会えるか分からない。もしかしたらもう会えないかもしれない、だけどね、もし、もう一度だけ…会う事が出来るのなら……






『会うまでに強くなって強くなったボクを見てほしい。』




ここにいればね…強くなれそうな気がするんだ。
閉ざされた扉が、開かれそうな感じなんだ。



本当は側に紺が居ないから人との距離が怖い、
けどこの世界だと怖いという言葉で逃げられない。




『…紺、逸れちゃったけど大丈夫かな?ボクは梵天に助けられたから無事だけど……まさか紺もあの夜行ってやつに襲われてるって事はまさか無いよ…ね?』





どうか貴方が無事でありますように……




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(もう、ボクの前から大切な人が消えるのは嫌だよ…)





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