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TITLE 露草視点 「たくっ、あいつは一体何を考えていやがる!!」 ― 二日前 「ちっきしょー…あのヤロー何処に行ったんだ?」 空五倍子もいねぇし…二人で外に出てるのか?あの引きこもりが?あの貧弱がか? あっりえねぇー…… って、そぉうじゃねぇ!!あんの鳥頭!人が作った酒を勝手に飲みやがって!!!(怒)空五倍子の野郎があいつを甘やかしすぎなんだよ! アイツの我が儘っぷりは今に始まったことじゃねぇけど!! ずんずんと廊下を歩いていると梵天を抱えた空五倍子が空から庭に降りてきた。 「うん?露草ではないか。どうしたのだ?そんな所に突っ立っておって。」 「なにか見えちゃいけない変なものでも見てたんじゃない?」 「てめぇーを探してたんだよ!!人の酒を勝手に飲みやがっ……!?…おい、そいつ…お前が抱えているのってまさか…」 あの鳥頭が帰って来て怒りをぶつけようと身を乗り出すが奴が腕に抱えている物に目がいった。 まさかとは思うが…… 「人間の娘。なんだ目まで使い物にならなくなったのか?」 「はぶらかすんじゃねぇ!しかも゙まで゙ってなんだ゙まで゙って!!!(キシャー!)」 「空五倍子!この女を部屋に運べ。」 シカトかよっ!!! 人の酒を勝手に飲んだ次はシカトかっ!? 「おい露草。」 「んだよ!!(ギロッ)」 「空五倍子が運んでいった女の傷の手当てをしてやれ。」 ……………は? イマコイツハナンテイッタ? ニンゲンノテアテヲオレニシロダト? 「ざけんな!何で俺が人間の傷の手当てなんかしなきゃいけねーんだよ!」 「軽い傷薬すら作れないならそう言え。作れない物を頼むほど俺も馬鹿ではない。」 「〜〜っ!やりゃいーんだろうがやりゃーよ!!!」 ― 回想終了 ― 今思い出すだけでもあいつほんっとにムカツク!マジでムカツク!くそムカツク! 本当に何考えてるんだ? 人間なんか連れてきて。詳しくは知らねぇが無関心なあいつが傷だらけの人間を助けたのにはさすがの俺も驚いた。 俺は昔っから人間という生き物が大っ嫌いだった。 弱い癖してでしゃばるし、何かとあればすぐに妖怪の正にしやがる。 自分の罪を俺達妖怪になすりつけようとする。 何より……人間は俺から大切な者達を奪いすぎた。 醜い心を持った生き物だ。 あいつもそこらの人間と同じに決まっている。人間なんてそんなもんだ。 廊下を歩いていると前方からも歩いてくる奴がいた。 二日前に梵天が助けたあの人間の女だ。 女は俺に気がつくと声をかけてきた。 『あ、おはよう(笑顔)』 人間ごときが俺に話し掛けるな。 何も言わず横を通りすぎ廊下の角を曲がる。 俺はあいつがここに住むって事を認めたわけじゃない。 次⇒ (認めてなんかやらない) |