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綺麗な男の人









『ひ……と…?』



背には大きな翼を広げた大きな人ともう一人男の人がボク達のすぐ後ろへと舞い降りてきた。
後ろにいる大きな人はよく見えないが恰好や体格からして男の人だと分かる。







「何か奇妙な気配を感じて来てみればまさか君達がいたとはね。夜行……随分とそこの娘にご熱心みたいだけど…でも俺もその娘に用があるから君には渡さないよ。」



男の人がそう言った瞬間、ボクの上にいる獣が真っ二つに首と体を切り離されていた



「ぐぉあぁぁああ!!!!!」




びしゃあっと血が吹き、首は飛ばされ地に転がる。その下にいたボクは当然吹き出た血がかかる訳で、血が両目に入ってしまった。慌てて血を擦って拭くが目が痛くて開けられなかった。杏雫は目を開けられず倒れていた身体を起こして座る。




「相変わらず逃げ足だけは早い奴だ…」



後ろから男の人の声が聞こえて頑張って少しだけ目を開けてみると、目に映った姿は…背は高く、髪を右側で団子にして纏めていて左側はサラサラと流れる一束の長い髪……口にはピアスをつけている男の人だった。
綺麗な人…と素直に思った



杏雫は痛む身体を前に向けて斬られている獣の方を見る。
ズズズズ…と、音を立てながら消えていくのが見えた。





助かった……
ボクは助かったという安心感がきたのか身体に力が入らなくなり意識を失った


近くで男の人がボクを呼んでいたのが聞こえたけど痛みに限界がきていた身体はそのまま地に倒れた。




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