六道骸VSマーモン (1/3)
『骸……様……ごめ…なさ………力に…なりたか…った…』
クローナの、辛く悔しい感情が僕の中に流れてきた時。
あぁ、彼女は負けたのだと分かった。
馬鹿な子だ、あれ程無理をしてはいけないよと言ったはずなのですが…。
暗く冷たい牢獄の中で僕は彼女を助けるべく力を使う。
「上出来でしたよ、僕のかわいいクローナ。君は少し休みなさい。」
ここからは、僕が戦うとしましょう。
切なげに伸ばされた儚い手をしっかりと、けれど優しく包んだ。
「クフフ…お久しぶりです。舞い戻ってきましたよ………輪廻の果てより。」
骸が現れたと同時にツナ達は驚き目を見開く。
クローナとは違った威圧感のあるオーラにコロネロは彼が本当の霧の守護者だと理解した。
はじめに骸に攻撃されたマーモンは獄寺が彼を見て"六道骸"と呟いたのを聞き逃さずゆっくりと倒れていた身体を起こす。
「…六道骸…どこかで聞いた名だと思ったが思い出したよ。」
ススッと身体を宙に浮かして頭の中にしまってあった情報を引きずりだした。
「たしか一月程前だ。復讐者の牢獄で脱走を試みた者がいた。そいつの名が………六道骸。」
「なぁ!?」
「ま、また脱走したの――!?」
「だが脱走は失敗に終わったはず。更に脱走の困難な光も音も届かない、最下層の牢獄にぶちこまれたと聞いたよ。」
マーモンのその言葉にツナは驚き、千種と犬は苦虫を潰したかのような表情をし俯く。
彼等二人は何故骸が脱走に失敗し、最下層と言われる牢獄に連れていかれたかを知っていたから。
「クフフフ…ボンゴレが誇る特殊暗殺部隊ヴァリアーの情報網も、たかが知れてますね。現に僕は…」
ここに在る。
「いいよ。はっきりさせよう。君は女についた幻覚だろ。」
マーモンの顔が空洞になるとそこからは冷たい風、吹雪が吹き荒れ骸を襲う。
「おやおや」
アルコバレーノの出す吹雪により足から徐々に氷漬けにされてゆく。確かに、これ程の術者と渡り合うにはクローナには重荷だったでしょう。
氷漬けにされてゆく中で。
初めて彼女と出会った日を思い出していた。
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(お前と出会えたこと、僕は必然だったと思いますよ……透。)
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