接触 (1/3)
昨日の出来事でいつもと様子が違う私に犬と千種が心配してくれた。
それが嬉しくてなんでもない、と答えた。
二人に迷惑かけられない。
クローナ躯髏を必要としている彼等の為に、私は生きなきゃいけないから……
ちらっと目の前にある古いソファーを見る。
そこでは犬がゲームをして千種は本を読んでいた。
『………。』
いつもと変わりない風景になんだか不安だった気持ちがほっとする。
そうのほほん、としていたとき……
「透…」
『!!』
骸様の、声……っ!
慌てて目を閉じて精神に集中する。
―骸様?
―僕のかわいいクローナ。少々お願いがあるのですが…聞いてくれますか?
―骸様の…願い?
「少しの間、僕に身体を貸してください。」
―私は大丈夫だけど……骸様が…。
「クフフ…僕なら大丈夫です。では少しの間身体を借りますね…。」
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(そう言って、私と骸様は入れ代わった。)
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