雲雀恭弥 (1/2)
夢を見た…。
あれは、まだ私が骸様から頂いたクローナ躯髏とゆう名前ではなく、
日向 透として生きていた頃の話……
朝、学校に向かう前に何時ものように寄り道をしてネコさんに餌をあげようと道を歩いていた時に運悪く、集団で歩いていた男の子のグループの一人にぶつかってしまった。
『いたっ…』
「いってぇなぁ!あ!俺のジュース!!」
尻餅を着いていると上から聞こえた男の人の声。地面に視線をやると私とぶつかった拍子にジュースを落としてしまったらしい…。
「どーしてくれんだよ!?」
「でもこの子めっちゃ可愛いくね?」
尻餅を着いたままでいると急に腕を捕まれ無理矢理立たされる。
『痛っ……離して……』
「離して、だってよ!マジ可愛い〜!!」
なに、この人達……怖い
「これからお茶飲みに行かない?付き合ってくれたら許してやるからさ!」
『嫌。』
私はネコさんと約束があるの、だから離して…!
何度も離してと言っているのに何処かに連れて行こうとする人達。
『やめ……』
「ねぇ…君達朝から何群れてるの?」
「お、お前は……ヒバリ!ヤバイ!!行こうぜ!」
私の後ろから聞こえた声に彼等は顔を真っ青にさせて慌てて腕を掴んでいた手を離して走り去って行ってしまった。
不思議に思い後ろを振り向くと学ランを肩に羽織らせ腕には風紀と刺繍された腕章を付けた目つきの悪い男の子がいた。
『……。』
「君その制服、学校は反対方向じゃないの?」
『………大丈夫。』
遅刻はしないから大丈夫、と意味を込めて言うと落ちてた鞄を拾う。
汚れを払ってから胸に抱き抱えてヒバリと呼ばれた彼に向き直りペコッと頭を下げてからネコさんが待っている所へと走る。
その後ろ姿をヒバリが、じっと見ていたことも知らず。
『ハァ…ハァ…ハァ』
あの場所に行くとネコさんはもうそこにいて、私が来たのに気付くと嬉しそうに鳴いて足に擦り寄って来た。
『…ごめんね。今あげるから…。』
鞄から猫缶と昨日の夜に焼いた魚を入れたタッパを出してそれをネコさんの前に置く。
「にゃーん」
待ってました、と言わんばかりにガツガツと食べる子猫。
透はその前に座り、猫の食べてる様子を見ている。
『………(良かった、食べてる。)』
「ふぅん。その子に餌をやるためにわざわざこっちに来てたんだ?」
『!!』
バッと後ろを見れば先程助けて貰った学ランを羽織った男の子が私のすぐ後ろに立っていて路地裏の出口を塞いでいた。
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