地獄か楽園か (1/4)
重い足取りで家に着く。鞄に入っている家の鍵を取り出して鍵穴に差し込み、開ける。
『………。』
扉を開ければ広がるのは沈黙な闇の世界。
気にせずそのまま靴を脱いで居間に向かう。
電気も着いていない、とゆう光景はもう見慣れたもの。
両親は仕事が大事とゆう人。父親の方は母親の再婚相手で私との血の繋がりは一切無い、赤の他人…。
母親は女優として働き、父親は偉い会社の副社長。
本当の父親は私が小さい時に無くなった。
父は母を愛していたがその母は父との愛は無かった…。
父親の財産が目当てで交際を始めた母。
そして月日が経ち、母のお腹に私が宿り二人は結婚した。
できちゃった婚…かな。
父が亡くなった後、母はすぐに新しい人を見つけ結婚した。それが、今の私の父親と名乗る人。
上辺では父親だけど私はあの人を父親だと思ったことはない。
あの人が私に話掛けて来ることなんて滅多に無かった。
愛された事なんて無かった。
誰かに必要とされたことなんて……なかった。
人間は簡単に嘘を着くし、怖い生き物…。
だから家族だけじゃなく学校でもクラスに馴染めないでいた。
愛されなかった私は、
何を話せばいい?
話すとしても暗い話で楽しい話なんて一つもない。そんな私と話てても相手はつまらないだけ。
だったら始めから話さなければいい。
人と話すのが苦手な分、私は動物が好き。
動物は嘘をつかないし嫌な時は嫌だって教えてくれる。
上辺だけの愛情ではなく、本当の心を、見せてくれる。
だから動物は信用も出来る…それに……可愛い………
そんな事を思いながらセーラー服から部屋着に着替えて台所に行く。
『……。』
台所のテーブルを見ると置き手紙と千円が置かれていた。
手紙を見ると
『………自分で買って…食べなさい……。』
そう書かれているのも何時ものこと。
紙を丸めてごみ箱に捨てた。
いつも仕事が忙しい両親は家の事は勝手にやりなさい、と言う。
ご飯も、掃除も、洗濯も……。
そして夕飯はこうやってお金だけを置いて行く。
でもそのお金を使ってご飯を食べているのはあまり無い。
ご飯は冷蔵庫にある適当な物を引っ張って食べてるから。
使わないお金は貯めてあり、いつか使う時の為に使わないでいる。
『……ご飯、作らなきゃ…』
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(今日は野菜炒めかな。)
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