失ったもの (2/3)



「どうだい?忌まわしきアルコバレーノの力は。さぁ君の正体を暴こうじゃないか。」


『………!』




まだ負けた訳じゃない!

キッとまだ諦めてないと言うような目でマーモンを睨みつける。
それが小さな悪あがきに見えたのかマーモンは軽く鼻で笑い、人差し指をクルッと回す。




『!?ッきゃあ!』



膝上まで覆っていた氷が伸びてマーモンの指に従い、そのまま勢いよく床に身体を叩き付けられた。



『あぅっ!』



その衝動で今までどんな時だって手放さなかった三叉槍が床に投げ出される。


少し離れた場所に三叉槍を見つけ慌てて掴みとった。




これは私と、骸様を繋ぐ大切なもので私がこの世にいられる、命そのもの…。
この槍を通して骸様の力を借り、失った"モノ"を幻覚で作り出している。手放してはいけない。





慌てて槍を腕に抱き寄せる躯髏の姿を見てマーモンが何かに感づく。




「ムム。どうやらその武器は相当大事なもののようだね。」


『!だ、ダメ……』



動揺の色を見せたその瞳にマーモンは今度こそ確信づく。
やはりあの武器は彼女を動かす力の源に違いない。なら、使えないように破壊すればいい……


マーモンのしようとしている事が分かり、ササッと槍を庇うようにして抱き寄せる。
そんな躯髏に向かって手を向けるとマーモンは容赦無く、何かを握るように手を強く握り締めた。















































『ダメ―――――ッ!!!!!!!!!!!』











―パァァン






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(目の前で銀色の欠片が散る…)


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