クローナ躯髏VSマーモン (2/3)
戦闘の合図がされたと同時に躯髏は三叉槍をヒュンヒュンヒュン、と頭上で回し槍の底を地面にとん、とつける。
すると躯髏の周りの地面が盛り上がり空間を飲み込む。
「っ!?」
「うわぁ!床がぁ!」
突然床が盛り上がり足場を悪くした皆が動揺しているその間に六道の力を使い、私がいた場所に身代わりとしてバスケットボールの入った籠を置く。
「やはり僕と同じ術士か。」
身軽な身体で宙に浮いている砕けた瓦礫を踏み台にして移動しているマーモンはそれに気が付いていない。
躯髏はそれを目で追う。
「でもこんな子供だましじゃ僕から金はとれないよ!」
『!』
マーモンが躯髏の正面まで迫るとフードの中から沢山の触手が伸びて彼女を襲う。
すると幻覚は消え、バラバラに砕け散っていた地面は元通りになっていた。
先程まで荒れた体育館になっていたのに急に元の体育館に戻ったことに山本が不思議がっているその横ではリボーンが指を差し、
「あそこを見ろ。」
リボーンに言われ俺はその指す方向を見れば、クローナがマーモンの触手により持ち上げられ締め付けられている場面だった。
『う、あぁっ…』
「っ躯髏…!」
触手に首を締め付けられ苦しげにしている躯髏を見てぐっと拳を強く握りしめ顔を歪める雲雀。
そんな躯髏を嘲笑うかのようにマーモンは話す。
「弱すぎるね、見せ物にもなりゃしない。」
『…誰に話してるの?』
「!」
確かに、彼女を締め付けたはずだった。
なのに目の前で締め付けられていたはずの彼女は消え、コツと後ろから聞こえた靴の音。
『こっち……。』
マーモンが触手で掴んでいた躯髏はバスケットボールの籠に変わる。
この光景を見ていたツナ達はリボーンの言葉から幻覚とゆう言葉を聞き、
「!骸の地獄道!!」
「!!(六道、骸?)」
ツナの口から出た名前にピクリと雲雀が反応する。ここで何故奴の名前が上がったのか、彼女と奴に何の関係があるのだろうか?
雲雀がそう考えていたその頃。
マーモンは掴んでいたバスケットボールを落とし、触手から元のトイレットペーパーに戻しコートの中にしまう。
「良かったよ。ある程度の相手で。これで思う存分アレを使える…あのマヌケチビ二匹の前でね。」
バキンッと何かが割れる音がしてマーモンのコートの中からジャラリと音を奏でて鎖が出て来た。
「ファンタズマ、いこう。」
マーモンの呼び声に答えるかのように蛙にヒビが入り、中からトカゲみたいな蛇が出てきた。
その奇怪な出来事に躯髏はごくりと咽を鳴らせる。
蛇みたいな生き物は自分の尾を噛むとマーモンの頭の上で回り始め小さな身体が自由に宙を浮く。
『!』
「あの巻きガエルと藍色のおしゃぶり…生きてやがったのか……コラ!」
水色のおしゃぶりの子が確信を得た言葉言うとその隣にいた黄色いおしゃぶりの子が頷く。
「やはりな……奴の正体はアルコバレーノ、バイパー!」
マーモンの持つ藍色のおしゃぶりが光出すとそれに共鳴するかのようにリボーンとコロネロのおしゃぶりも光出す。
「やばいぜ。あのバカチビ相手じゃ並の術士じゃかないっこねーぜコラ!」
以前、少ない時間だったが共にいた仲間の力を知っているコロネロはひやりと冷や汗を流した。
「なめんなコロネロ。クローナは並の術士なんかじゃねぇぞ。」
リボーンは躯髏を見て小さく笑っていた。
そんな二人の会話が躯髏の耳にも入り聞こえていた。
私には、分からない話を向こうでしている…。
アルコバレーノ、呪い?なんの事か分からない。だけど、これだけは無知な私にも分かる。
黄色いおしゃぶりの子が言っていたように。
『私は誰だろうと…絶対に負けない!』
ぎゅっと再度槍を強く握りしめ構える。
そう、誰だろうと私は負けない!負けるわけにはいかないの!
骸様や犬や千種のためにも!
私は、
絶対に負けないッ!!
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(戦うこと。それが今の私の、存在意義だから……)
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