沢田家光 (3/5)
『…………。』
骸様が外に出てから何分経つんだろう。
一人この綺麗な世界で骸様の帰りを待つ。
草原に座って花に触れているとポスッと頭に重りが来る。
え?と見上げるとそこには帰りを待っていた骸様がいた。
骸は透の頭に手を置き外に出る前にした時みたいに頭を撫でている。
『ぇ、あ、あの……//』
頭を撫でてもらったとゆう記憶が無い私はその動作に頬を赤らめどうしたら良いか分からなかった。
「話は終わりました。」
クフフ、と笑い骸様は外で話てきた事を分かりやすく私に話てくれた。
『そのマフィア……ボンゴレのボスの守護者になって戦えば…犬と千種は助かるの?』
「そうです。彼とはそうゆう契約をしましたからね。余程、切羽詰まっていたらしい……。」
口角を吊り上げて笑っている骸に透は眉を更に垂らす。
犬と千種が助かるのは嬉しい……でもそれって…
『骸様は?』
「?」
『骸様は………その中に、……入ってますか?』
純粋にそう思った。
骸様はさっきから犬と千種の保障だけで自分の保障があるとは言っていない…。
ひやりと汗が透の頬を流れる中で骸は驚いたように目を見開き、すぐに優しいものになる。
「クフフ…誰かにこの身を心配されるとは……思ってもいませんでしたよ。」
人体実験のモルモットとされていた骸は自分の身体を案じての心配をされたのは…生まれて初めてだった。
実験台に心配も無にもない……。
人に心配されるとゆうものは………嬉しいものですね。
「仕方ない事なんです。僕は簡単には出しては貰えない、地下にいますから…。そう安々と外には出して貰えないんですよ。」
『………。』
やはり、何処か寂しそうに笑っている骸に透はぎゅっと小さな拳を握り、
『私、やる…!』
決めた。
『私、骸様や犬や千種の為に……戦う…!』
貴方達を救うことが出来るなら、私はこの身を捧げます。
『私、戦うから……』
私は弱いし強くもない。戦ったことなんてない所か経験すらない。
『戦って…いつか、』
『いつか……犬と千種の三人で………』
―骸様を……向かいに行きますから…
だから、もう少しだけ、待っていてください…
そう、彼女は真っ直ぐな瞳で僕を見て、言った。
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(やはり、彼女を選んで間違いではなかった……)
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