涙の温度 (3/6)



―ジャーー



台所で一人立ち尽くす透。
お弁当を作る際に使ったフライパンや鍋などは全部洗い終わったが蛇口の口を閉まっておらず、水は流れたまま。





自分は、また失敗してしまった。
二人が腹を空かせていたことを知りお弁当を作って持って行ったがいらないと言われ失敗。
いつも自分はこうだ…。

何かをしては失敗して、周りを落胆させる。
だから友達も、家族も、側にいなくて一人だった。誰かに希望を持たせちゃ駄目、自分はそれに応えてあげる事が出来ないから………。



流し台で流れ続ける水を見ながら水の音に耳を傾けゆっくりと、透の目が閉じられる。




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