▼ 03
「ボンゴレ」
焦ったスパナは沢田のところへ来ていた。
「あれ、どうしたのスパナ?」
「服、貸してくれ」
「はい?」
突然のことに沢田は訝しげに首を傾げる。そんな彼にスパナは事情を説明した。
「うーん…貸してあげたいのは山々だけど俺そんなに服ないし…。そもそもまず俺とサイズが合わないんじゃ…」
言いにくそうな沢田に対してスパナは、あ、と声を漏らす。彼は今の今までサイズの事など気にしていなかったのだ。
そして沢田は続ける。
「というか服くらい買ったらいいんじゃないかな?」
「………忘れてた」
「……ハハ」
「じゃ、行ってくる」
呆れる沢田を残し、スパナは街へと向かった。
一方名前は自らの部屋で1人ファッションショーを開催していた。
「うーんと、こんな感じ?……違う!!今度はこれだ!!……なんか違う!!」
鏡の前で服を自分の前に持ってきながらあーでもないこーでもないと試行錯誤する。
「んー…どれもなんか違うんだよなぁ…」
うーんと唸りながら名前はあることを思い付く。
「そうだ。どうせ他にやること無いんだし、買いにいけばいいじゃん」
そう思い立って、軽く身支度を整えると直ぐに自室を後にした。
スパナ、どんなのが好きかな。
久しぶりのデート。
明日が楽しみだ。
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