警鐘、堕落、そして融解

夢を見た、気がする。



深緑、あるい暗緑色と表現されるような二つの濡れた硝子玉は恐怖と快感に支配され、色っぽく艶めいていて、硝子玉は綺麗な飴玉のような、大変美味しそうに見えた。試しにその片方の瞳をぞろりと嘗めてみても、薄い塩味しかしなかった。
しかし俺にとって不動の涙という味はどんな絢爛豪華な料理よりも美味に感じられた。
不動にとって瞳は性感体らしく、舐める度に蕾はきゅうと締め付けを強くした。


ぐずずと彼の胎内に沈みこんでいる俺の肉の塊は脈を打ち質量を増す、
「……あ、ぁ!きもちぃ!もっと、もっと痛くして、いいから!きど、ちゃん!」
ぎゅうぎゅうとキツく締め付ける後孔は粘膜でとろりと、そしてうねうねと動いていた。
「痛くしていいから、じゃないだろ」そう問うと、熱を孕んだ瞳でうっとりと酔ったようにもう快楽しか写ってはいなかった。

俺と初めて関係を持ったとき既に開発されつくしていた不動の体は痛みにまで快楽を見いだすようになっていた。

腕の中で淫売のように鳴く不動を誰の目先にも晒したくはない。
あぁ、このまま二人で誰にも見られることもなく朽ちればいい、この熱に溶けてなくなってしまえばいい、繋がっているなんて言っても皮膚と皮膚が俺らの邪魔をするのだ。ひとつになった、と言っても俺達は未だに別々の個体なのだ。
早くひとつにならなくてはいけないのだ。
陶磁器のように白く、細い首筋に手を回す。
ひとつにならなければひとつにならなければひとつにならなければひとつにならなければ……。


掌と首の皮がぴたりと密着する細い管をごくり、と咽下されていく唾液の感覚が皮膚ごしに感じられ、互いに緊張していることが分かる。もう皮膚の、空気の邪魔さえも入ってはならない俺たちはひとつになるのだから、
不動は回した手首に手を添え微笑んだ、不動も俺とひとつになりたいのだ。


俺は不動を思いのままに出来る支配感に満たされた。



力を徐々に込めていくと、ただでさえきつい穴が俺の逸物から精を絞り出そうとするかのようにぎゅうぎゅうと締め付けを強くする。
暗緑の瞳からは涙が溢れ出していた
「不動、好きだ、俺の物になってくれ……、」
声帯はもう潰れてしまったのか、不動の喉からはただひゅうひゅうという音が虚しく響いていた。
不動の唇は何かを伝えようとしていた。
「     」




「―…よ!起きろ!鬼道!」
「……不、動?」
「お前、先に落ちてるんじゃねぇよ!くっそ、自分だけ気持ちよくなりやがって!俺まだイッてないんだけど?」
そういってぎゅうと脚を腰に絡みつけてくる、自身は不動の中に挿入ったままであり、不動のそれは未だにだらだらとはしたなく濡れていた。


夢……?
寝るなんて予想外だ、と憤慨しながら言う不動、そうだ、俺が不動を殺そうとするなんて、あるはずが……
「お前のモンにしてくれるんじゃなかったのかよ……、お前が殺してくれるなら俺は幸せなのに」


ぼそりと呟いた不動の言葉がぐるぐると俺の頭中を駆け巡る、
脳内でガンガンと鳴り響く警鐘が俺たちの破滅を暗示しているような気がした……






不動が生殺し><

なにもないのが寂しいから置いてみただけです。
(ここだけの話昔書いた別ジャンルの作品を手直ししただけなので)
また作品が増えたら撤去します^ω^ ……

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