嗚咽を零して泣き続けるルーシィの頭を黙って撫で続けるグレイ。
言わずにいた想いを吐き出せて思いの外余裕が出てきたのか。
真剣に悩む彼女へ小さく笑みを零すと大袈裟に溜息を吐き出した。

「―――…っとに純情だな」

くしゃりと乱暴に掻き混ぜた金糸を引っ張ると悪戯に笑う。

「冗談だ」
「なっ…!?」
「―――とは言わねぇが、お前見てれば答えなんてわかってる」
「…グレ、イ」
「でも、仕方ねぇよな…考えるより先に身体が動いちまったんだから」

触れた唇を指先で押して見せれば、思い出したようにルーシィの顔が赤く染まった。
流し続けていた涙はぴたりと止まって。
懸命に言葉を返そうと口を開けては閉じて、困ったように俯く。

「あた…し、今は…多分、その」
「…あぁ」

予想していた答えは予想以上に胸を締め付けて。
平静を装った声を絞り出しても胸の内は悲しみに包まれていった。

「で、でも…グレイの気持ち、嬉しかった…」
「おう…」

沈んでいく思考の片隅で必死に想いを伝えるルーシィの声が響く。
諦めるつもりで告げた言葉。
押し殺してきた感情に任せて伝えたのだから満足、そう思うつもりだった。
第一、ルーシィの片想いならまだしも自覚なく独占欲を醸し出すナツを見ていれば自ずと自分の出る幕がないのは理解できていた筈。
それでも、気になって惹かれてしまったのだから仕方がない。
そこまで考えて、溜息一つ。
あたふたと未だ途切れ途切れに言葉を紡ぎ出すルーシィの腕を引き寄せた。

「つーか、なんで俺がバカ炎に遠慮しなきゃなんねんだ」
「は、ぇ?」
「アイツが好きだっていうならまた別の話だけど…」
「そ…れは」
「だから、まだ諦めなくてもいいよな」
「…な!?」

悪戯に口許を歪めて、華奢な肩を包み込むと揺れる金糸を弄びながら口付けひとつ。
真っ赤に染まった頬に手を添えて、グレイが愉しそうに笑った。


だからめるんだ



fin.
***
切なさを消してみた所業。
フルバスターが開き直りやがりました。
ルーシィを想って身を引くことはあってもナツのこと考えたらなんでアイツのことまで考えなきゃならんのだってなる気がしなくもない。
18歳なんてまだこども。

はっぴーめりーくりすますっ!


Back




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -